忘れないように。

ツイッター@mtaou03

ありがとうペルソナ3リロード

 


私がペルソナ3に初めて触れたのは、忘れもしない数年前の初春。冬が過ぎ、春の暖かさが訪れるようになった頃です。
別ジャンルのフォロワーに、良いゲームがあるよ〜と言われて勧められたのがペルソナ3でした。PSゲームなどろくに遊ばない私が一体何にビビッときたのか、ペルソナシリーズどころかアトラスゲーすら何も知らないままPSvitaを購入し、ペルソナ3ポータブルの男主人公ルート…要するに正史ルートをプレイしたのが全ての始まりだったのです。
謎多きストーリーと魅力的なキャラクター達と楽曲、それらで構成された独特の世界観と爽快感のあるバトルに私は瞬く間にのめり込み、幸運な事に一切のネタバレを踏まないまま一ヶ月でクリアしました。


救いがあるような、ないような。
好きに生きて好きに死ねばいいと、まるでそう言われたような。


ただ息をして生命活動を存続することという意味での『生』を肯定する訳ではなく、死そのものを人生の一部として受け入れる事を由とするこの作品は、当時の私の心に深く深く刺さり、今もなお抜けない棘となりました。


本編をクリアした後もP3Mを完走して号泣し、P3F後日談をクリアして絶望し、PQと漫画版と舞台版でまた泣き、ダンシングで救われて、PQ2で血反吐を吐き…とこの数年間も色々ありましたが、私の中からペルソナ3とP3主人公が遠ざかる事は一度もありませんでした。
一切の誇張なく、ペルソナ3とは私の人生そのものでした。

 

そして、2023年6月12日。
フルリメイク作品『ペルソナ3リロード』発表。

 

https://x.com/p_kouhou/status/1668815764508528646?s=46&t=HhfGPUmSuh3U4o3csHlonw

 

P3FとP3PとPQ2で正史S.E.E.S.の絆を踏み躙られた傷が未だ癒えないP3ファンは、絶対にP3リメイクなど出さないでくれ、下手に触るくらいならそっとしておいてくれと言い続けてきました。
また傷つく可能性があるのなら、P3Rにも背を向けるべきだったのでしょう。

しかし、

4Gamer
 P5基準の遊びやすいP3になってほしいと希望しながら,全体から漂うようなギラっとしている感じ,攻めている感じはしっかり残っていてほしいという自分勝手なことを考えていたのですが,開発の皆さんの話を聞いているかぎり,心配はなさそうです。

新妻氏:
 そこは大事にしていましたから。私も開発側になってあらためて,その荒削りなところがP3の魅力だと感じました。
 ゲームの部分の粗さは,いま遊んでもらうゲームにするためにはしっかり磨かないといけませんが,作品の本質にあるエッジが効いているところは,角が丸くならないようにしなければならない。今回のリメイクはそのあたりをしっかり考えて取り組めたと思います。

(中略)

冗談っぽく言ってしまいましたが,この話し合いが本当にいいリメイクを生んだ結果につながったんだと思うんです。一人ひとりがオリジナル作品に敬意をもって,いちプレイヤーだったころの気持ちも大事にしながら開発者として意見を出し,ゲーム制作に取り組んでいましたから。

(中略)

オリジナル版に敬意を持ち,とにかく丁寧に作ったリメイク作品です。発売はまだ先ですが,今後も注目していてください。

[インタビュー]「ペルソナ3 リロード」は,どのような考えでP3を“再装填”した作品なのか。開発のキーマン3名に話を聞いた


P3Rプロデューサーの新妻氏の覚悟に満ちたこの発言を見て、もう一度ペルソナチームを信じてみようと思い、発売まで待ち続けると決めました。
プロモーション時点で不安に思う事や残念に思った事もたくさんありましたが、P3Rをペルソナ3リメイクとして楽しみに待つ事ができたのは、スタッフの方々の真摯で誠実なペルソナ3愛が痛いくらい伝わったからです。ゲームの発売をこんなに楽しみに待ち続けられたのは、P3Rが初めてでした。


そして2024年2月2日にP3R発売を迎え、2月12日に総プレイ時間78時間でクリアしました。
発売までの悲喜こもごもと発売後のリアルタイムプレイ記はXアカウントの方に記録しているので、深くは語りません。
一言で感想を言い表すならば、

 

「今日まで生きて、ペルソナ3リロードをクリアする事ができてよかった」

 

これに尽きます。


原作と比べて進化した点や追加要素についてはファミ通等の公認記事の方がまとまっていますし、ユーザー視点の感想は販売サイトやSteamのレビュー欄にたくさん投稿されているので、ここでは割愛します。
ここではP3P女性主人公ルートに激怒し、P3F後日談とPQ2で心に深い傷を負ったP3主人公ファンとして、P3Rプレイ感想と言うほどでもない短いお気持ち記事をネタバレ無しで書いていこうと思います。多分ここを見ている人達もそっちを見たくて覗いてるんでしょうし(笑)。

 


P3Rありがとうその1

本作で追加された、S.E.E.S.の男仲間のサイドエピソードである『リンクエピソード』。既存のコミュを削除する訳にはいかないのでその代わりに、という触れ込みでしたが、これの満足度と完成度がまあ素晴らしかった。
P3の仲間キャラのバックグラウンドはこれまでの派生作品でも語られましたが、それらと被らない全く新しい切り口から順平、真田、荒垣、天田、コロマルのエピソードが描かれて、P3はまだこんなポテンシャルを秘めていたのか!と驚かされました。

リンクエピソードは基本コミュやコープとは違い本筋とリンクして進むので、未熟な仲間達が月日とともに成長し人間関係が変わっていくP3のシナリオ構成ともよく合っている。エピソードを全て見届けると各キャラから記念アイテムがもらえ、新規ペルソナも作れるようになるので、実質コミュみたいなものです。
というか、順平のリンクエピソードの解放ペルソナ名を見た時は大声が出ました。あれはずるいって!
PVでお披露目された時はトンチキシナリオかと思われていた真田のパンケーキパーティーも、蓋を開けてみれば彼の過去とリンクしたシリアスな話だったり。荒垣のリンクエピソードに至っては、これをプレイせずに荒垣ファンを名乗れないだろ…と思わせるくらい良い話でした。主人公達とちゃんと交流した上で、それでも荒垣の決意は揺るがなかったんだなと改めて実感しました。
P3主人公ルートはこれまでP3P女主ルートの下位互換扱いをされてきて、ハム子でないと荒垣を救えないだの男仲間とコミュれないだのギスギスしてるだのとハム子ファンからさんざんマウントを取られてきたものです。しかしP3Rのリンクエピソードをプレイしてみると、これだけでハム子厨を黙らせられるくらい濃厚で草という感じでした。他にも仲間と一緒に屋上で野菜を育てたり料理したりテレビを観たり読書会したり冷蔵庫で物々交換したり…そんな充実した寮生活を送るうちに、今までハム子厨にマウントをとられてきた苦い思い出がみるみるうちに上書きされていきました。
これこそが本来のペルソナ3、私とP3主人公が愛した一年間と言えるかけがえのない日々でした。ありがとう。

 


P3Rありがとうその2

リロードのゆかりッチがとてつもなく可愛い。ゆかりッチは原作でも派生でもベリー可愛い女の子でしたがリロードではそれが更に強化されていて最初から最後まで岳羽ゆかりの魅力が大爆発、立派にP3のヒロインをしていてゆかり派の私も無事成仏できるゲームでした。アイギスこそがP3の真ヒロインという風潮に長年しんどい思いをしてきましたが、その傷にリロードがスーッと効いて…アイギスも好きなんだけどね。後日談筆頭に当時のP3ディレクターの嫁贔屓のあおりを主に受け続けてきたのがゆかりとそのファンだったので…。
まずCGモデルが可愛い。シフトを受け取る時の笑顔がマジ天使。アニメムービーの作画も力入りまくりで可愛いが溢れまくっています。
初テウルギアイベントでもスポットが当てられており、守られるだけではない、主人公達を守る覚悟を決めたS.E.E.S.の一員としての凛々しい姿も披露されて、新たなゆかりファンも増えたのではないでしょうか。
戦闘中にパーティメンバーの体力が危なくなった時の「私がみんなを癒やさないと…!」というボイスにも痺れました。自分がピンチの時でも仲間を思いやる、これこそが岳羽ゆかりというキャラクターですよ。
性能面でもやたら優秀だったので、バトルユニットとしてもゆかりがお気に入りになったプレイヤーも多かった事でしょう。ありがとう。

 


P3Rありがとうその3

プレイヤーに媚びないシナリオと等身大のキャラ造形が良くも悪くも特徴的なP3ですが、P3Rでは時代的にまずい部分は整えて魅力となる部分は更に伸ばし、結果新規プレイヤーにも愛される作品になったかと思います。
もちろん媚びない所がP3の良さではありましたが、新妻Pが言った通りP3の長所である尖った部分はそのまま残しつつ特別課外活動部の絆を強調してくれたので、私個人はとても嬉しかったです。
ここもね、P3の良さが分からないP4P5ファンやハム子ファンからは「ギスギスしてる」だの「仲良くない」だの「義務的な仕事仲間みたい」だのと散々比較して貶されてきたのでね、やっと汚名返上の機会が巡ってきたと歓喜しましたよ…P4P5ほど仲間内で馴れ合ったりはせず、ハム子ルートのように不自然に仲間が媚びたりしない、けれど何ものにも断ち切られない強い絆は確かに存在する、私の大好きなS.E.E.S.がP3Rにはありました。ありがとう。ここまでされても尚P3をギスギスと言う人がいたら、それはただのP3Rエアプでしょうね。

 

 

P3R開発チームの皆様、制作に関わった全ての方々、本当にお疲れ様でした。
大明神や御大と呼ばれる伝説のクリエイター達が作り、めんどくさいファンが大勢ついている元祖P3をリメイクする事は、さぞ相当のプレッシャーだったでしょう。あなた方がその重圧に負けずP3Rを全力で作り上げてくれたからこそP3のリメイクは最高のゲームになり、怨霊と化していた一人のめんどくさいP3ファンは浄化されました。それを誇ってこれからも最高のゲームを作り続けてくれるなら、いちユーザーとしてこれ以上の喜びはありません。

 

私は過去に、このブログでこう書きました。

もしペルソナ3がリメイクされるなら、後日談はシナリオ演出難易度に一切手を加えずグラフィックのみ最新のものにして収録するか、後日談は収録せず完全なる黒歴史として抹消するかのどちらかしか認めません。
中途半端な忖度とか姑息なシナリオ改良とかいらないです。
全ての批判を受け止める覚悟でありのままの後日談を収録するか、潔く失敗作として闇に葬るか、どちらかをアトラスには選んで頂きたいです。どうしてもシナリオに手を加えたいなら、フェスは失敗作だった、スタッフの自己満でファンを騙し傷つけて申し訳なかった、リメイクが真の後日談だと認めてファンに謝罪するべき。
もちろんハム子ルート抱き合わせリメイクとか論外です。P3無印リメイクかP3フェスリメイクかのどちらかしかいらん。もっと言うならリメイクではなく、無印かフェスのリマスターの方が有り難いですが。


当時の私めちゃめちゃ怒ってんな…と自分で引きますが、この発言を今撤回します。
P3Rチームの方々がP3Fエピソードアイギスをリメイクするとしても、しないとしても、大幅に内容を改変するとしても、私はその決断を受け入れようと思います。
P3R本編でたくさんたくさん幸せにしてもらったので、後日談がどういう扱いになったとしてもまずは受け止めようと心に決めています。

 

3/7追記:後日談リメイクも発表されましたね。内容次第ではもしかすると新しい記事を書くかもしれません。

3/13追記:書きました。エピソードアイギスへの傷付き|🌕

 

 

P3Rが発表され、女性主人公と後日談はリメイク作に入れないと公表されてから今まで、ひたすら楽しくて満ち足りた、夢のような日々でした。

P3FやP3PやPQ2に傷ついてきたP3ファンがP3Rに喜ぶ姿を見て、こんな日が来るとは夢にも思わなかったと何度も幸せを噛み締めたものです。
私の大好きな作品を大切にリメイクして下さり、本当に本当にありがとうございました。

 


このブログの更新は、当記事をもって最後にしようと思います。
ツイッター(@mtaou03)や引越し先のnoteではまだしばらく活動を続けるつもりですが、区切りとするには丁度いいタイミングなので。

 

ペルソナ3という作品には、これまで幾度となく心を動かされてきました。

その決定版であるP3Rが素晴らしいリメイク作品となった事、発売から一週間で100万本セールスを突破したのを見届けられた事を、心から嬉しく思います。
今までもこれからも、私はペルソナ3が大好きです。

 

それでは。

 

 

2023年6月12日

 

海外メディアの米IGNの報道によると、『ペルソナ 3 リロード』はオリジナル版の『ペルソナ3』に収録されたコンテンツのみを収録することが、本作のプロデューサーとチーフディレクターの和田和久氏により明かされている。「女性主人公」やアイギスの妹「メティス」といった『ペルソナ 3 フェス』と『ペルソナ 3 ポータブル』にて追加されたコンテンツは収録されないという。

『ペルソナ3』のフルリメイク作品『ペルソナ3 リロード』発表

 

ありがとうペルソナ3

ありがとうキタロー

 

おかえりなさい

ペルソナ25周年

 

ペルソナ25周年という事で公式から新規イラストやグッズが多く出ており、そこにはなぜかハム子もいる訳ですか、今回それについてはあまり触れません。出てきてほしくなかった、P3主人公の隣に立ってほしくなかった、過去のあの大失態などなかったかのように相変わらずペルソナ3の主人公面などしてほしくなかった以外の感情が彼女には無いので。

ハム子に関するリアルタイムの愚痴はツイッターで吐き出してるので、その件についてはそちらで。

 

思う所があるとすれば、今も元気にこのブログに誹謗中傷コメントを送ってくる人達の存在についてなんですけど。

ペルソナ3ファンでありペルソナ3主人公ファンでもある一個人が、ハム子と彼女のファンに対するお気持ちや、その立場からのゲームレビューを個人ブログで綴っているだけなのに、よくもまあ人様のブログのコメント欄でこんな目を疑うような暴言を吐けるものだなと思います。

頭おかしい、キモい、キチガイみたいな直球の暴言もどうかと思うけど、私が一番嫌なのは中立面した上から目線のジャッジコメントなんですよね。

ここは私のやりきれない気持ちを吐き出す場であって、ペルソナ3ファンの痛みに寄り添えないお前のお気持ちとジャッジは求めていない。

ハム子厨も大概うざいけど、あなた達みたいな正義面した勘違い人間も同じくらいうざいよ。

その事をよくよく理解した上でブログ記事を読んで頂きたいですし、コメントをする前にちょっと考えてもらいたいものです。

同じペルソナファン同士として。

 

 

…ペルソナファンですよね?

ペルソナ3好きを公言している人間に嫌がらせをしてくる、あなた達は。

ペルソナ3フェスの後日談はプレイするべきなのか

 

2024/3/13追記:

ペルソナ3リロードでもエピソードアイギスがリメイクされるとの事で、noteで再びお気持ち記事を書きました。より伝わりやすくなるようフェス後日談の解説を書き直し、後日談に対する感情も改めて言語化したので、できればこちら↓を読んでください。

エピソードアイギスへの傷付き|🌕

この2024年版の記事と比較すると当記事は感情的な表現が多く、今となっては後日談解説記事として片手落ちとも言えますが、コメント欄も含めて記録として削除せずに残しておきます。

 

 

 

 

***

以下、ペルソナ3フェス後日談(エピソード・アイギス)のネタバレを大いに含みます。

 

 

P3発売から十余年が経ち、P3リメイクを望む声が年々高まっていますが。

P3リメイクを望む声が高まろうと高まらざると関係なく常に界隈に高々と響き渡っている「ハム子ルートにも後日談を!」という声の発生源に言いたい事がある。

 

あなた達は本当に、ペルソナ3フェスの後日談をプレイしたのですか?

 

彼ら彼女らの話を聞いていると、後日談とは本編主人公を巡ってチームメイトが仲間割れするだけの物語であると認識しているようにしか思えないです。「キタローに執着したゆかりみたいに、ハム子ルートでは生存した荒垣さんがハム子に執着する所を見たい」とか、100回は見ました(誇張表現)。

というか、実際にその手の人達が求めているのはそれだけなんでしょうね。仲間割れを引き起こすほど仲間達に愛されているファム・ファタール的なハム子を見たいとかそういう。だってハム子の後日談を求める人達ってマジでそれしか言わないんですもん。

浅い。

あまりにも浅く、幼稚な発想だと思います。

 

プレイした人なら分かるでしょうが、後日談ってそんないいものじゃないんですがね。

むしろ逆で、プレイしたファンの心を粉々に打ち砕く特級呪物だったんですがね。

エピソード・アイギスとは、2ちゃんねるの専用スレッドがファンの怒りと怨嗟と絶望の書き込みで16スレまで伸びたほど大炎上した代物でした。ログも残っているので、遡れば当時何が起きたのかひと目で分かると思います。→

ペルソナ3ネタバレED考察スレまとめ - アットウィキ

 

「忌み子」「黒歴史」「そびえ立つ糞」「サイコパススタッフのオナニーショー」「萌え駄目の見本」「ペルソナ3を終わらせた存在」「触れてはいけない例のアレ」「ファンディスクという名のファンへの嫌がらせ」

 

書き込みを見るに、プレイ済みのファンの間ではだいたいこんな感じの評価が妥当なのではないでしょうか。

これほどまでにボロクソ言われる後日談がどんな内容だったかというと、(ネタバレを避けたい人は次の長い改行に挟まれた※まで飛んでください)

 

 

・開始早々主人公の死を確定させられる。←主人公の生死はプレイヤーに委ねるという無印当時のスタッフの発言は一体…

・2010年の3/31に隔離される仲間達。何らかの力が巌戸台分寮に働いているとの事。新たなダンジョンが寮の地下に出現し、メティスというアイギスの妹を名乗る謎のロボが登場。

アイギスが主人公の遺志を受け継いでワイルドの力とオルフェウスを得る。

・ゆかり以外の仲間キャラ全員が薄情化。真っ先に主人公を見捨てる道を選んだ真田と天田、主人公が死んだ間接的な原因にも関わらず罪悪感皆無の美鶴、同じく罪悪感皆無どころか自分の悲しみが一番のアイギス、本編の友情と熱さはどこに行ったのか強敵に尻込みする順平、喋れないので空気のコロマル、風花は非戦闘員のためやはり空気。ゆかりだけが主人公を救おうとしたものの、最終的にはアイギス側に下る。全てのキャラクターが後日談の結末ありきの舞台装置と化し、本編の絆は全否定された。

・プレイヤーに主人公の影を追ってダンジョンを潜らせる。高難易度固定のため雑魚戦すらきつく、仲間のAIはなぜかフェス本編より退化、階層ボスは見切り連発のストレスゲー。そしてボスを倒す度に主人公の影がメンバーの視界の隅に現れ、風花が「もしかして今の影は…?いえ、なんでもありません…」をボス戦の数だけ繰り返す。複数あるダンジョンをクリアしても明らかになるのはメンバーの過去だけで、主人公の死の真相についてはラスボス戦までおあずけ。ダンジョンに潜って戦闘という単調かつ苦痛な作業だけで公式の想定したプレイ時間の大半を費やす事となる。その時間およそ30時間。油断すれば雑魚戦でも死ねるので思考停止してレベリングもできない。おまけに仲間達のレベルは本編クリア時より大幅に下がっており、ペルソナ全書も使えないという強制縛りゲー。

・爽快感の欠片もない戦闘の末、ようやく主人公の影に追いついたプレイヤーに強制される主人公とのバトル。偽物の影とはいえ見た目は主人公そのもの。愛着のある主人公を自分の手でボコボコにしなければならないプレイヤーの悲嘆。

・それのみか相手を撃破した直後に突如として流れ出す主人公解体のグロムービー(めちゃくちゃリアル。皮膚が剥がれて内臓とか骨っぽいのとか普通に見えてる)。しかもなぜかムービースキップできない。トドメにグロ存在と化した主人公の影に一瞬だけ被る生前の主人公の微笑むカット。はっきり言って主人公ファンへの嫌がらせとしか思えない。

・主人公の影が消えたのち(グロムービーに関して仲間達はノーリアクション。どういう事なの…)、過去に戻って主人公を救うか、主人公を見捨てて元の世界に戻るか仲間割れを始めるチームメイト。プレイヤーはどっちつかずのアイギスを操作しているので、当然ながら他の仲間達を倒す事を余儀なくされる。全てを投げ捨ててでも主人公を救いたいゆかりと、主人公に対してあんまり執着なさそうなアイギスの対比がプレイヤーのイライラを煽る。ゆかりには感情的な言動が目立ち、彼女を悪く見せる事で相対的にアイギスを良い子に仕立て上げるつもりなのでは?と疑ったプレイヤーも少なくない。そんなゆかりも敗北した事で橋野イズムの洗脳を施され、アイギスを持ち上げつつ主人公を見捨てる選択肢を取る。

・明らかになる主人公の死の真相、そして一行の前に現れるとってつけたようなラスボス。主人公は死に触れようとする人類の悪意=エレボスを抑え込んでいるので生き返らせられません、との事。エレボスを阻む扉に磔になった石化主人公と、彼にアイアンクローをきめるエレボスのムービー。

・エレボス戦終了後、またニュクスがエレボスに喚ばれてしまうから主人公を封印から解放させられないよね、仮にニュクス戦の直前に戻れてもニュクスにもう一度挑む勇気はオレたちにはないよね、主人公が選んだ道なんだからその意思を尊重しようぜと一致団結する仲間達。石になった主人公を横目に仲直りするゆかりとアイギス

・エレボスを主人公に任せて元の世界に戻る仲間達。その途中でベルベットルームに全員で招かれ、アイギスが命のこたえにたどり着く。

・メティスに祝福されるアイギス。メティスの正体はアイギスが切り捨てた主人公への執着心や悲しみの感情だった。つまりメティスがアイギスの妹を名乗ってケアしていた行為はアイギス自己憐憫であり、自作自演である。役目を終えたので皆の前から去るメティス。

・元の世界に戻った一行だが、アイギスだけが機能停止したまま動かない。命のこたえにたどり着いたのだから主人公と同じように死んだ…と思わせて普通に目覚めるアイギス。回路が焼き切れているはずなのに問題なく動いているとの事。彼女はユニバースの力を自身に使い、機械も人間も超えた存在になったらしい。

・復活したアイギスを喜ぶ仲間達、それを「メデタシ」と表現する順平。←この台詞をマジで言った。マジで。

・訪れた4月1日。桐条のラボに戻されるはずだったアイギスは「やっぱりわたしも学校に行きたい」と言い出し、認められる。住人がそれぞれの道を行く事になり、閉鎖される巌戸台分寮。主人公の事を思い出す人はもはや一人もいない。亡くなってから一ヶ月も経っていないとは思えないレベル。

・ゆかり「新しい寮に入るなら、私のルームメイトにならない?あと私の事呼び捨てでいいよ、友達でしょ?」アイギス「うん、ありがとう!」

Brand New Daysが流れて本当の本当におわり

 

 

 

 

 

要約して書くつもりが結局全て書いてしまった。ブログ主の主観も入っていますが、過去ログのファンの受け取り方もこんな感じでした。

まともな感性の持ち主なら、この文章だけで後日談がいかに酷いものか分かってくれると思います。

主人公の生死が明らかになるのではないか、仮に死んでいたとしても主人公を復活させられるのではないか、主人公の影に追いつけば、エレボスを倒せば…と藁にもすがる思いでプレイし続けたファンを念入りに踏み躙るかのようなシナリオ。これでファンディスクなのだから恐ろしい。ファンディスクじゃなくてファンDEATH苦だろ。

フェス発売後に公開されたディレクターとライターのインタビュー記事によると「戻るための日常をアイギスに与えてあげたかった」との事で、結局アイギス萌えのオナニーゲーじゃねーか主人公には戻る日常はやらんってかと多くのプレイヤーがキレ散らかしました。伝え聞いた話では当時のファンサイトも後日談を受けて閉鎖した所があるそうです。全てを焦土にするなんて公式の力は怖いね。

アイギス至上主義者しか幸せにならないゲーム、それがペルソナ3フェス後日談です。作った人間がアイギス至上主義者だから仕方ないのかもしれませんが。

この炎上ぶりが公式に伝わらないはずもなく、フェスが無印から大きく売上を落とした事も響き、次作では橋野イズムを控えた結果P4はバカ売れしました。アトラスのお偉いさんから橋野氏が怒られたらしいとも聞いたけど真偽のほどは知らん。好き勝手やって売上落としてファンをキレさせたら上層部から怒られて当然だと思うけど。

とにかく以後後日談は腫れ物扱いで、公式からもほぼ黒歴史扱いされてるシナリオなんじゃないかと思います。身から出た錆です。

 

話を戻す。

ハム子にも後日談をよこせとか言っている人達は、この惨状を本当に望んでいるのでしょうか?

アイギス萌えのスタッフによって薄情化させられた仲間達にハム子が見捨てられ、そのハム子はグロ解体ショーに晒され、ひとりぼっちのまま人類の悪意にアイアンクローをきめられる運命を望んでいるとしたら…よほどの覚悟が決まった人か、単に何も考えていないだけか、メサイアコンプレックスを拗らせた人のどれかだと思いますね。

まあ先程も言った通り、ハム子に後日談を望んでいる人が後日談をプレイしたとは到底思えないですし、もし内容を知っていたとしても後日談の都合のいい部分(主人公が命を呈して封印の扉の番人になってるとか、主人公を巡って仲間達が争うとか)だけをハム子のものにしようとして、グロムービーや仲間薄情化や無限アイアンクローはキタローに押し付ける気満々なんじゃないのと邪推してしまいますが。

ハム子にも後日談をほしがるなら、ハム子の見た目をした存在が仲間に1対多のリンチを受けて皮膚剥がれて内臓露出させられてむごたらしく塵になるシーンも受け入れようね。

あと、荒垣生存ルートにしても、半年近く昏睡状態でつい最近目覚めたばかりの彼がダンジョン探索の戦力になるなんて思わないようにね。そもそも彼がそんなに長生きできるの?という疑問もある。

 

 

長くなりましたが、記事タイトルに戻ります。

今、この時代に、ペルソナ3フェス後日談を未プレイの人はプレイするべきなのか。

P3主人公ファンは後日談なんかプレイするべきではない、と忠告する心優しい先人もいます。無辜のファンが余計な傷を負う必要などない、それが致命傷になってペルソナ3自体を嫌いになるくらいなら後日談をプレイしない方がマシだという意見には、私も心から同意します。

ですが私は、真実を知る覚悟がある人には是非とも後日談をプレイしてほしいと思う人間です。

フェス発売当時、何があったのか。

今もキタローを愛し続けるファンはどうしてあそこまで彼に魅了され、固執するのか。

後日談ゆかりはヒステリーを起こす痛い女、後日談順平は本編から成長した男、特別課外活動部は主人公をなくしただけで仲間割れする程度のチーム、みたいなネットに転がる後日談の偏った感想だけを拾い上げ、聞きかじりの知識でP3に首を突っ込んでファンの怒りを煽る糞野郎の存在に長年腹を立ててきた身としては、一人でも多くの人に真実を知ってほしいのです。

 

そして、本編をプレイしてキタローを好きになった人こそ、後日談をプレイしてほしい。

彼の迎えた結末、彼の覚悟、後日談で彼が見せた笑顔。そして巌戸台分寮が閉ざされる、あのラストシーン。

後日談はゴミゲーでしたが、プレイしたからこそここまでキタローを愛おしく思えたのも確かです。

また、ペルソナ3のメディアミックスや派生ゲーは、直接的な描写こそありませんが、ほぼ全てが後日談を前提とした作りになっています。後日談をプレイしたのとしないのとでは、それらの派生作品に対して抱く感情がまるで違ってきます。

そして当然ながら、クリア済のファンとそれ以外のファンとではペルソナ3や主人公に対する価値観も異なります。後日談の苦しみを理解できるのは後日談をプレイした人だけなんですよ…。

どうか、ペルソナ3フェス後日談をプレイして下さい。

あ、もちろんプレイ動画視聴とかはダメです。絶対にダメです。後日談の傷を負うファンにカウントしません。ちゃんと自分でフェスを買ってプレイしてね。

 

 

最後に。

もしペルソナ3がリメイクされるなら、後日談はシナリオ演出難易度に一切手を加えずグラフィックのみ最新のものにして収録するか、後日談は収録せず完全なる黒歴史として抹消するかのどちらかしか認めません。

中途半端な忖度とか姑息なシナリオ改良とかいらないです。

全ての批判を受け止める覚悟でありのままの後日談を収録するか、潔く失敗作として闇に葬るか、どちらかをアトラスには選んで頂きたいです。どうしてもシナリオに手を加えたいなら、フェスは失敗作だった、スタッフの自己満でファンを騙し傷つけて申し訳なかった、リメイクが真の後日談だと認めてファンに謝罪するべき。

もちろんハム子ルート抱き合わせリメイクとか論外です。P3無印リメイクかP3フェスリメイクかのどちらかしかいらん。もっと言うならリメイクではなく、無印かフェスのリマスターの方が有り難いですが。

 

面倒くさいファンだと思うでしょう?本当誰のせいだよ誰の。

私をここまで拗らせたオタクにしてくれたキタローとP3には感謝していますけどね。

ペルソナQ2感想続き、あと考察

 PQ2発売と前回の記事から約一ヶ月が経った。

 その間も色々な事があった。PQ2のアマゾンレビューが大荒れしたり、PQ2の初週販売数が大爆死したり、ジョーカーのスマブラ参戦が発表されてジョーカー自身がPQ2にトドメを刺したみたいになったり、P5Aの特番が「なんだコレ…」としか言いようがない結果に終わったり、ペルソナQ2の問題点まとめwikiが作られたり、P5Rなるものの存在が発表されたり、他にも色々と。

 アマゾンのレビューを見れば分かる通り、世間のPQ2の総評は「クソゲー」に落ち着いている(※2023年現在、そのアマゾンレビューは不自然な高評価レビューで上書きされ、定価で購入したユーザーの当時のレビューは埋もれてしまっている)。ハム子ゴリ押しはもちろんの事、個性が大事の大合唱で倒錯した正義を押し付けられる不快なシナリオ、原作エアプとしか思えない設定ミスの数々、フリーズとバグの嵐、前作から大幅に劣化したキャラ同士の掛け合いやシナリオの質やダンジョンの作り込み、爽快感の欠片もない迷宮ボス戦のギミック、空気化と舞台装置化が激しいハム子以外のペルソナ使いおよびゲスト組と、そりゃ荒れますよとしか言いようがない内容なので致し方ない。

 この一ヶ月で私もPQ2の二周目をプレイしてみたが、感じたものは初見プレイ時とほぼ変わらない。前回のプレイでスルーしていた新たな突っ込み所に気付く事はあったが。

 前回の記事に引き続き、ボロクソにPQ2を批評してもいいが、その前にあえてPQ2の良点を挙げてみる。別に全てが悪かったわけではないので。あと、問題点なら先述のアマゾンレビューとまとめwikiに全て書かれてるし。

  感想に興味ない人は目次から考察に飛んで下さい。

 

 

PQ2の良い所

・進化したUI

 ロビーやショップのUIはすごく良かった。Bボタンを連打するだけでショップやベルベットルームから退去できたり(これはBボタン連打で出られない前作が駄目だっただけかもしれないが)、ロビーでBボタンを押すと自動でシアターに飛んだり、メニューの各種コマンドが分かりやすくなっていたりと、前作よりも操作性が向上していた。

 ただ、私はP5に合わせた戦闘のダイレクトコマンドは最後まで慣れなかった。アイテム欄とスキル画面を無駄に行き来するのを何回やったのやら…ナビスキル画面にもパッと見で即飛べないのも駄目。DSとプレステのコントローラーは全然違うんだから、そこは無理にP5に合わせなくても良かったのでは。B長押しで逃走できるのは○。

 

・多様化した戦闘スキル

 前作での欠点だったキャラ間の性能格差が気にならなくなる程度には全キャラの性能が底上げされ、メイン・サブ共に強力な固有スキルが増えた事でバトルが楽しくなった。戦闘システムも総攻撃がしやすくなり、バトンタッチやユニゾンといった新ギミックも追加され、パーティで一丸となって戦っている感覚をより味わえるようになった。ユニゾンが発生すると否応なしにテンション上がる。バトンタッチを使ってもテンション上がる。

 ただ、追撃がパーティ外のキャラのみになったのはダメ、本当にダメ。推しの追撃を初見プレイでも二周目でも見る事が終ぞ無かったんですけど?見たかったら推しをパーティから外して23人(22人?)の中からランダムで選ばれるまで試行回数を重ねろってか。ユニゾンが増えたらそっちの方が発生しやすくなるし…。

 探索中の扉や宝箱の出現キャラもだけど、ここは前作と変えずにパーティ面子固定にしてほしかった。

 

・戦闘ボイス、探索中ボイスの種類の追加

 コマンドキャンセルでキャラが喋るの、いい。推しの「う~ん…」を永遠に聞いていたい。Qシリーズの戦闘システムはスキルキャンセルを頻繁に使うので、こういうボイスがあるのは素直に嬉しい。(でも前作にはあったキャラ同士の濃い掛け合い、状態異常時の個性的なボイス、シャドウへのコメントが全て削除され、汎用台詞での掛け合いに統一されたのはガッカリ。)

 迷宮探索中にナビ以外のキャラが声を掛けてくれるのも、前作には無かったのでこれもgood。地図をちゃんと描いてると推しが褒めてくれるのはPQ2だけ!色を変えて塗ったりしても声を掛けてくれるぞ。あと第五迷宮のギミックで聞けるキャラ達の悲鳴が可愛い、とても可愛い。

 

・豊富な名BGM

 PQ2の数少ない良点。作曲担当の喜多條氏ほか、サウンドチームとアーティスト陣に敬礼。戦闘曲はどれも好き。ボス戦曲も文句なしにカッコイイ。

 ただ、ミュージカルパートは激寒だった。

 

・色褪せない声優陣の演技

 流石はベテラン揃いのペルソナ声優陣と言った所だろうか、今作も素晴らしい演技で魅せてくれた。ゲストキャラの声優陣の演技ももちろん遜色ない。ボイスデータだけ売ってほしい。

 

明智の扱い

 発売前に危惧されていた要素の一つだが、個人的にはハム子とは違ってかなりいい感じに扱ってもらえたと思う。アニメのように不自然にごり押される事もなく、怪盗団と仲良しこよしする事もなく、34キャラとも程よい距離感で接していた。私はP5をプレイして猫かぶり中の明智にはやや苦手意識を持っていたが、PQ2のお陰で彼の事も好きになれた。

 OPの意味深なカットや、PQ2にわざわざ明智を参戦させた理由は何だったのかと思わなくもないが、明智の新たな一面を見られただけでも十分だと思う。初見プレイも二周目も、彼は第一迷宮からラスボス戦までずっとスタメンだった。

 

・質、量ともにパワーアップしたアニメーションムービー

 みんな可愛い。作画が綺麗。すごく良く動く。推しが格好いい。それだけで十分です。

 でもOP詐欺とキタローの腕章忘れは許さない。

 

・新規立ち絵

  推しが可愛い。以上。

 だけど個人的には、前作の方が良かったと思うキャラの方が多かったなー…PQ2の立ち絵はみんなちょっと目に違和感がある。今回担当されたのは副島さんではないんですよね。

 PQ2の方が好き、あるいは前作と同じくらい好きなキャラはキタロー、順平、風花、真田、美鶴、荒垣、コロマル、番長、千枝、完二かな。結構多かった…

 前作よりも躍動感があるキャラがお気に入りなのかもしれない。あとボコスカ絵は全員文句なしです。でもキタローの腕章忘れは絶対に許さない。

 

・一部の特別上映

 ハム子が絡まない特別上映はどれもおおむね良作だった。過度なagesageがなく、それぞれのキャラの個性を活かした内容なだけで全てを許せる。リーダーズのシナリオがシリアスではなかった事と、ボリューム不足な事が残念。

 

 こんな所だろうか。声優と楽曲とグラフィック面に辛うじて救われてる感じ。肝心のシナリオ、テーマ、設定、キャラの扱い、ダンジョンの作り込み、ボス戦ギミックがクソミソのクソなのが全てを台無しにしているが。

 PQ2は推しとの迷宮探索を楽しむゲームと割り切るのが一番かもしれない。迷宮探索、単純につまんないけど。

 

 

PQ2考察

素朴な疑問

 PQ2をクリアし、悲喜こもごもの感想を見て未だに分からない事がある。

 どうしてPQ2スタッフは、P5勢を差し置いてまでハム子をゴリゴリに推したのか?

 どうしてPQ2スタッフは、あそこまで原作エアプなのか?

 どうして金田Pや藍原Dは、ハム子の参戦やキタローとの対面に深い意味があるかのような発言をしたのか?

 直接答えは得られないので、ここから先は私の完全な推測になる。

 

 まず、PQ2がジョーカースマブラ参戦とP5A年末特番、P5Rの発表に合わせて発売されたのは間違いない。商売なので、そこは無理にでも合わせたいのがアトラスの本心だっただろう。

 PQ2で新規層にジョーカーと怪盗団を売り込み、年末特番とスマブラ参戦で人気にブーストをかける。ついでにP3P4にも興味を持ってもらえれば御の字、といった所だろうか。

 ここで疑問に思うのが、「じゃあ、どうしてP5を売り込むべきPQ2でハム子を推したのか」という点である。

 PQ2にハム子を参戦させると決めたのは金田Pで、ペルソナ20thフェスでファンによるハム子の絵を見たのがきっかけらしい。PQ2をどうするか考えていた時にハム子を参戦させる事を思い立ち、企画書を作っていた所を藍原Dに見られ、藍原DがPQ2のディレクターに立候補したとの事。PQ2問題点まとめwikiにソース元のインタビューが転載されているので、詳しくはそちらを参照。

 このハム子ことP3P女性主人公というキャラクターについては過去の記事で散々説明したので割愛するとして、このインタビューを読んだ時私が思ったのは、「PQ2のメインシナリオを決めてからハム子をキャスティングしたんじゃなく、最初からハム子ありきのゲーム作りだったの!?」だ。

 PQ2という物語のクオリティをより高めるのにハム子というキャラクターが最適だったとかではなく、「とりあえずハム子を参戦させよう」から始まったゲーム制作。

 そりゃ、あんなハムハムゲーが出来上がるわけだよ……。

 

考察という名の邪推

邪推その1

 そこから更に突っ込んで、ではどうしてよりにもよって「後付けif女主人公」という普通の舞台には容易に出せない立ち位置にあるハム子に目をつけたのか?と考えると、「ハム子には声の大きいファンがついているから」以外の理由が私には思い浮かばない。

 事ある毎にハム子を出せ出せ女主人公を追加しろの大合唱、劇場版P3のフィナーレイベントでも寄せ書きボードにハム子の事を書きまくる、ダンシング前夜祭という公式イベントでもスタッフにハム子について聞くという過激なアピール…もといただの迷惑行為をするような層は、もしかしたら金田Pには今まで誰も手をつけなかった金の生る木に見えたのかもしれない。

 そして、「ハム子は今までハブられていたんだから、再登場したら推されて当然!主人公なんだからキタローと同じように扱われるべき!」というのがハム子厨の言い分だが、金田Pも同じ事を思ったのかもしれない。実際はキタローと同等でも対等でもなんでもない、ただの後付けif主人公だから今まで表舞台には出てこなかったわけだが。エイプリルフール企画の存在のようなキャラを正史主人公と同等に扱う訳がないだろう、普通に考えて。

 ところが、金田Pもたぶんハム子がそういう存在である事を知らなかった。誰も手をつけなかった美味しいネタではなく、単に扱いが困難なキャラクターである事を知らなかった。後付けイフを免罪符にP3のシナリオをハム子に合わせて改変し、システム面でも本家より優遇されているハム子とハム子ルートの危うさを知らなかった。下手したらポータブルのハム子ルートすらプレイしていなくてもおかしくない。

 邪推その1。金田P、ハム子参戦を決めた時、あなたもしかしてこう考えませんでした?

 

「ハム子ってキャラは人気あるんだ。でも、女主人公だから今まで表舞台に出してもらえなくてファンが悲しんでるんだね。

 じゃあ、PQ2でメインに据えちゃおう!200万本売れたP5と抱き合わせにして、ついでに人気が根強いP3P4も客寄せパンダにすればPQ1よりも爆売れじゃん!」

 

 ハム子のファンアートを見た時、金田Pの脳内にどのような考えが駆け巡ったのか私は本気で知りたい。

  PQ2が大爆死した今、彼がハム子について語る事はおそらく二度とないだろうけど。

 

邪推その2

 ハム子参戦を決めたのが金田Pとして、気になるのが藍原Dという新キャラである。

 PQ2の企画書を見てディレクターに立候補したというこの若いスタッフ、過去にP5の制作に携わっていたとの事。P3ともP3Pとも掠りもしていないアトラススタッフだ。

 私はゲーム業界に明るくないので、ディレクターという役職がどれだけの権限を持ち、どんな事をするのかは詳しくは知らない。が、PQ2のハムハムゲー化の一端を彼が担っているのはまず間違いないだろう。

 ところでこの藍原Dという人、PQ2発売の少し前にフェイスブックの個人アカウントを発見され、ヘッダー画像をハム子のカットインにしている事が明らかとなっている。ジョーカーではなくあえてハム子にする理由を考えると、ハム子推しなのかな?と思うのが普通だろう。

 ここで邪推その2。

 藍原D、PQ2企画書のハム子の名前を見てディレクターに立候補したりしてませんよね?

 

邪推その3

 各インタビューを読んでも、ハム子について積極的に話しているのは金田Pで、藍原Dはほとんどハム子に触れていない。正直ヘッダー画像が答え合わせな気もするが、確証はない。

 ここでPQ2をプレイした私の率直な感想を言わせてもらうと、「スタッフはハム子の事、別に好きじゃないでしょ?」である。

 ハム子というキャラクターがP3P4P5ファン全員からヘイトを集めてもおかしくないハム子爆age他sageシナリオを平気で出し、案の定全方位からハム子が叩かれまくっても知らんぷりな所を見るに、彼女の事も使い捨てたんだろうなと私は思う。

 PQ2のハム子ageシナリオからは、とにかくハム子をゴリゴリに推そう、声のでかいハム子ファンに媚びを売ろうという熱意は十二分に伝わってきたが、インタビューでも言っていた「ハム子を大切に扱う」という気持ちは全く感じられなかった。

  番長の姪発言を始めとした設定ミスの数々からして、制作陣の大部分がP3P4(最悪P5も)エアプなのは確実だが、この調子だとハム子ルートもプレイしていないだろう。ハム子ルートでハム子が雪子と出会っている事、テオに姉がいると知っている事、風花コミュで風花の料理を応援してる事など、何も知らないんだろうな。

 じゃあPQ2スタッフは何を参考資料にしてハム子のキャラ付けをして、シナリオを書いたのか?

 

 話を少し変えるが、ハム子でGoogle検索してすぐ出てくるサイトにピクシブニコニコ動画の百科記事、それとアニヲタwikiがある。情報が豊富ではあるが、公式wikiではなく誰でも編集できるので、誤情報や二次創作設定が掲載されたままの記事も多い。

 ここでPQ2発売前のハム子やP3のページを見てみると、P3の記事ではハム子がキタローと並んで「P3の女主人公」として扱われ、キタローも「男主人公」と誤表記されているのが目立つ(キタローを男主人公扱いするのは、番長やジョーカーをP4P5の男主人公呼ばわりするようなもの)。おまけにハム子の記事では彼女の後期ペルソナがタナトスメサイアだと堂々と書かれている。(後日談やメディアミックス、PQ1ではっきりとタナトスメサイアを後期ペルソナとして描かれたキタローとは違い、ハム子が本編やメディアミックスでメサイアを正式に後期ペルソナにされた事はない。本編では仕様上キタローのタナトスメサイアを流用しているだけで、ハム子オリジナルのタナトスメサイアは存在しない。そもそも、メサイアのデザインがキタロー自身とキタローのオルフェウスを元にしている)

 アニヲタwikiに至っては、まるでハム子が正当な追加主人公であるかのように書かれており、if主人公、後付け主人公などという言葉はどこにも見当たらない。何も知らない人がこれを読んだら、ハム子はポケモンクリスタルやリメイク赤緑の女主人公のように後から追加されただけのW主人公の片割れだ、と勘違いしてしまうだろう。

 そしてどのwikiにも共通している事だが、「ハム子はキタローよりも明るくコミュ力が高く、誰からも好かれ、毒舌が魅力的」という表現が目立つ。

 ハム子ルートのハム子は確かに底抜けに明るく、誰からも優しく接されるが、それはifを免罪符にデス周りの設定やP3の作風との兼ね合いを丸投げしたために許されている事であり、キタローと並び立つ主人公という事にしたかったら彼女もキタローのように一見近寄り難く、ミステリアスでクールな雰囲気を纏う落ち着いた見た目の少女であらねばならない。そこを無視してハム子はデスを宿していても明るい、本家と違って仲間達からも愛される、だから同じ主人公でもキタローよりも優れていると言ってしまうのは、P3の設定と彼女の「if」という存在意義を踏み躙るのと同じである。

 ハム子が明るい性格で誰からも好かれるのは、「女版キタローじゃつまらないから、ハム子はイメージカラーも性格もキタローと真逆の女の子にしよう。そしてキタローの時よりも優しい世界でイージーモードのP3にして、ハム子目当ての新規層を接待しよう。本家P3やデス設定のすり合わせはifって事で許してね!」という雑極まりない理由から来ている。実際に制作陣がこう思ったかどうかはさておき、真面目に考えればP3の設定が破綻する彼女の存在が許されているのは、彼女がひとえに「ポータブル限定のお遊び要素」だからだ。エイプリルフール企画のふざけた内容に本気で突っ込む人はいないだろう。ただエイプリルフール企画でも許容範囲には限度があるし、ハム子ルートはその越えてはならない一線を限度を軽々と越えてしまっているのでハム子無理派が批判を続けているのだが。

 ともあれ、そんなハム子を「キタローと同じ存在なんだ!彼女も立派なP3の女主人公なんだ!」と言ってしまうと、「じゃあなんでハム子はデス抱えてるのにあんなに明るいの?なんでP3なのにピンクなの?なんでオルフェウスが女装してんの?なんでファルロスと○○が男のままなの?なんでメメントモリのP3で○○が生き残っちゃうの?なんで後日談がないの?なんで女装オルフェウスタナトスを合体させたらキタロー顔のメサイアになるの?」という怒涛の突っ込みが発生してしまう。それを回避するための「究極のif」なのである。

 なのだが、ハム子を持ち上げるファンにはそこを無視する、あるいは理解できていない人が異様に多い。

 彼らは「if」であるハム子の事が好きではないのだろうか。ハム子をムリヤリ表舞台に引きずり出し、正史主人公のように扱う事で、上記のような突っ込みと追及の嵐に晒したいのだろうか。私にはどうも、そんな彼らがハム子の事を本当に愛しているとは思えない。だってハム子も主人公だと声高に主張する彼ら彼女らは、ハム子の「イフ主人公」という唯一無二の肩書きと彼女を守る盾を、他でもない自分達が否定しているのだから。

 ここまで長くなったが、本題に戻る。

 

 邪推その3。

 スタッフの皆さん、まさかPQ2のハム子を設定するにあたって、こういう非公式wikiやファンアートを参考にしていませんよね?

 

 それならPQ2のハム子が音楽プレイヤーをキタローと同じく首から下げているのも、言動全てがポータブルと乖離しているのも、転生ペルソナがPQ2でメサイアになっているのも、デスを宿しているとはとても思えないアッパーで考えなしな性格な事にも、毒舌や陽キャラの意味をどう見てもはき違えている無神経で無礼な言動も、キタローがわざわざ男主人公扱いされハム子はP3女主人公表記な事にも、全部納得がいくんだよなあ…。

 PQ2のグラフィッカーの皆さんは、キャラ原案の副島さんの設定画すら見ないで、一体何を参考にしてPQ2のハム子をデザインしたんでしょうね?

 設定画も見ずP3Pもプレイしてなかったら、そりゃハム子にキタローとお揃いのネックストラップをつけちゃうわ。

 ハム子のペルソナ召喚台詞をP3Pの「来て!」ではなく、キタローとお揃いの「来い!」にしちゃうわ。

 ハム子をif主人公ではなくキタローと我汝汝我のパラレルワールドの存在にしちゃうわー。

 全部邪推だけど、驚くほどしっくり来るんですよね。

 このエアプぶりだと有名なアイギスとハム子のビッチダッチ会話の画像を本物だと信じててもおかしくなさそう。言っておくけどあれ、コラです。私は実際にハム子ルートをフル股がけしてまで確かめましたよ。冷静に考えたらP3Pのレーティング的にありえないワードなんだけどね、ビッチダッチって。

 ただ唯一最後まで分からないのが、作中でキタローとハム子を直接絡ませなかった事。不自然なくらいお互い会話をせず、ハム子がキタローに召喚器を渡す時もわざわざゆかり経由という徹底ぶり。お互い相手をどう思っているのかさえほとんど話さない。この謎のスルーぶりは一体…

 ハム子をキタローと直接会話させたらif存在のハム子が対消滅するとかそんななのだろうか。こればかりは想像がつかない。

 

 

そして全てが終わった

 で。

 そうして声のでかいハム子ファンに媚びを売った結果が、初販は前作の半分にも届かず大爆死、アマゾンレビューは大荒れ、価格は発売一ヶ月の時点で驚異の53%オフとなったわけですが。

 これからペルソナを引っ張っていくP5の顔に泥を塗り、P4に余計な苦労を負わせ、P3の何もかもをめちゃくちゃに破壊し、P3Pのハム子にすら二度と表には出られないくらいの傷を負わせたわけですが、PQ2スタッフはこれで満足でしたか?

 私はPQ2のハム子がメサイアをつけているステータス画面を見るだけではらわたが煮えくり返るほどの怒りと悔しさと憎悪に苛まれているけど、PQ2が大爆死してくれたのでもういいかと思ってる。これでPQ2が大成功して良作扱いされてたら立ち直れていなかった。

 でも、公式とハム子厨がキタローとP3にした事は絶対に忘れないし、許さないと思う。未だに好き勝手暴れてキタローをdisってるハム子厨および女主厨、あなた達はPQ2の人格最低なハム子がお似合いです。ハム子ルートとPQ2からもう二度と出ないでほしい。P3P4P5に金輪際触れてくれるな。

 それとハム子の方が主人公らしい、ハム子なら救える、キタローなんて陰キャよりハム子を出せなんて二度と言わないでくれると有難いです。二度と。

  PQ2が爆死したのをP5のせいにしたり、PQ2を叩いてるのはハム子厨やキタローファンだけみたいに言うのもやめてほしい(実際にいた)。ハム子をゴリゴリに推した結果がこれなんだし、PQ2を批判している中には普通のハム子ファンもいる。

 PQ1すら汚し、PQ2を台無しにしたのは公式含めたハム子厨のせい。その事実を受け止めてほしいです。

 そして何よりPQ2広報を始めとした公式がキタローを冷遇しまくったのも忘れない、絶対に忘れない。虫眼鏡アイコンの件もキタロー声優の色紙の事もあらゆる場面でのキタローハブとキタローイジメの事も忘れないし、許さない。

 私はPQ2の初販が大爆死したのは、広報によるキタローや他キャラ冷遇とハム子ごり押しが原因だと思っている。推しをあれだけコケにされ、予約特典もハム子まみれにされるという見えている地雷を誰が予約するか。私は予約したけど。ハム子グッズが無いショップで。

 まあ、PQ2はハム子の件を除いてもメインシナリオが壊滅的すぎて救いようがないんだけど、少なくともハム子がいなければその分345キャラの活躍が増えたはずだからなあ…。ハム子がいるせいでキタロー放置でハム子ヨシヨシの舞台装置にされ、ユニゾンをハム子用に一枠ずつ取られたP3勢の被害が凄い。 ゆかりなんてユニゾンはハム子とのだけで、45とのクロスオーバー技は無いし。

 

 恨み節で終わるのも何なので、最後は前向きな話を。

 ハム子を参戦させるなら、それこそifキャラという立場を活かしていくらでも役割を与えられたと思うんですよね。さんざん言われているように、映画の中だけの存在にするとか。それならキタローといくらでも絡んでもらっても構わなかった。もちろん、P3主人公はキタローただ一人であるという前提で。

 全て終わってしまったので、たられば言ってもしょうがないんだけどね。

 発売前はそういうストーリーになるものと信じていたんだよなあ…ハム子の存在は物語に深く関わってくるとは何だったのか。

 同時に、「PQ2でハム子をP3女主人公にして、今後P3はW主人公でいくつもりか?」と怯えてもいたけど、まさかスタッフが本当に何も知らず、何も考えず、ただ原作エアプなだけだったとは…。

 何もないがあった、これに尽きる。

 

 PQ2なんて無かった。P3は何も汚されていない、キタローも傷つけられていない。彼は今夜も仲間たちと一緒に踊り狂ってるので、多分きっと大丈夫です。

 

 

追記

追記。もう一つ、供養としてPQ2の良かった所を。

私はキタローのPQ1での「経験は奪えない。だから、自分は誰にも奪えない」という台詞が大好きなんだけど、PQ2での

「みんなとの出会いが、新しい自分を作ってくれた。確かな経験が、僕の中にある。それだけは消えないよ」

「確かに、僕たちが出した答えが常に正解とは限らない。不本意に人を傷つけてしまったり、自分が傷つく時だってあると思う。それでも僕は、自分が導いた答えに納得できるような人生でありたいと思う」

という台詞で泣いちゃったよね。

 PQ2のキタローはPQ1のキタローとは違うキタローだろうけど、でも確かにキタローなんだなあと思える台詞だった。キャラクターとしての軸がぶれない、一貫しているってこういう事だと思う。

 散々な出来でほぼ全てのキャラが破壊されてる悪夢のようなゲームの中で、大好きな彼が大好きな彼のままでいてくれた事は本当に救いだった。

 他のキャラと同じく、お綺麗な台詞を吐かされただけかもしれない。ライターは何も考えてなかったかもしれない。あるいはお前らの御本尊がこう言ってるんだからキタローファンもこのクソゲーを肯定しろというスタッフからのメッセージがこめられた台詞なのかもしれない。実際、作中でそう思えるようなキタローのPQ2肯定台詞が結構あった。推しに何言わせてるんだとその度にキレそうになった。あるいはキタローが発言すべき場面で、何も言わせてもらえない時もあった。都合が悪くなったらキタローを画面外に追いやってんじゃねえとその度にまたキレた。

 それでも、血反吐を吐き散らかすしかない地獄の中で、キタローがこの台詞を言ってくれた事は本当に嬉しかった。彼が言うからこそ、意味がある台詞だった。

 思えばキタローって、これ以外にもひかりに「自分を否定する誰かの為に自分を変える必要なんてないんじゃない?」とか、ラスボスに「全く同じ人なんていない」みたいな事を言ってるんだよね。同調圧力軍団の中にいながらさり気なく流れに逆らっているようにも取れる。多分この台詞を書いたライターは何も考えてないんだろうけど、私は無意識の内にキタローの渾身のブーメランがライターに刺さったと思う事にする。

 残念ながら、キタローのそんな主張は作中ではひかりにも他キャラにも届く事はなかった。PQ2において、彼の言葉に真剣に耳を傾けてくれたキャラは多分一人もいなかった。誰かとの真剣な会話シーンさえ与えてもらえなかった。キタローは最初から最後までただの添え物のパセリだった。

 でも、彼がそう言ってくれただけで十分だったよ、私は。

 

 私はPQ2を絶対に肯定しない。キタローとP3が大好きだからこそ、こんなクソッタレな設定崩壊同調圧力強制キタロー虐めエアプハムハムゲーをPシリーズの正史だとは認めない。

 だけど圧倒的クソゲーの中でも変わらず在り続けてくれた彼の事は、これからもずっとずっと忘れないし、大切にしたいと思う。

 

 

ペルソナQ2感想(主にハム子の事)

 

・2022年追記

ペルソナQ2が発売されてから結構な年月が経ちました。

当時の記事を振り返ってみると、怒りに任せて色々と痛々しい事ばかり書きなぐったなあと思いますが、この時感じた痛みや怒りはログとして残しておきたいのでそのままにしておきます。

本当に大好きなんですよ、ペルソナ3

その気持ちとペルソナ3そのものを、ペルソナ3を大切に思わない公式、無神経なハム子ファン、愉快犯的な野次馬にグチャグチャに踏み躙られました。

このはてブロに寄せられた暴言や誹謗中傷や上から目線のジャッジコメントも、こういうものをわざわざ個人に直接吐いてくる人達がいた事を示すログとして、基本的にそのままにしてあります。

 

 

 

 

※この記事では、ペルソナQ2のP3P女主人公(ハム子)に関わるあらゆるネタバレを含みます。

ラスボス、ゲストキャラ関連のネタバレはありません。

 

 

 

 先日、ペルソナQ2をクリアした。

 初報CMでハム子の参戦が公表されてから約四ヶ月、大人げなくキレたり、あまりのショックに泣いたり、広報によるキタロー冷遇に傷ついたり、愚痴アカウントやブログを作ったり、色々あった。

 つらい事の方がはるかに多かったが、良い事もあった。それはポータブルのハム子を好きになれた事だ。

 初めてハム子ルートをプレイした時は、本家のキタロールートからの改変ぶりや原作キャラの性格崩壊ばかり目について、プレイヤーキャラであるハム子の事は特別好きにも嫌いにもならなかった。だが、PQ2発売に向けてもう一度プレイしてみる気になり、キタロールートのクリアデータを引き継いで最初からエンディングまで遊んでみたが、ダンジョンで操作するハム子のポリゴンモデルは可愛いし、選択肢も微笑ましくていいな、と思えた。

 ハム子ルートのシナリオそのものは嫌いなままだし、ハム子をペルソナ3の主人公としては認められないが、あくまでポータブル限定のイフであるならば話は別だ。むしろイフだからこそ許される主人公でありルートであるので、それを否定はしない。イフ主人公としての彼女を、私は好きになれた。

 だから、PQ2でも彼女がイフ存在のままであり、適切な扱いを受けていたら、きっとPQ2のハム子も受け入れられただろう。

 

 私個人の感傷はひとまず置いておき、本題に入る。

『ペルソナQ2』は、ペルソナ345とペルソナ3ポータブルのクロスオーバー、28人のペルソナ使いの夢の共演という触れ込みのゲームだった。

 時間軸は違えど世界そのものは地続きのペルソナ345とは違い、ペルソナ3ポータブルのハム子は、「絶対に存在しない究極のイフ」として生み出された、言うなればエイプリルフール限定の存在のようなものだ。ペルソナ3にスポットライトが当たる時は、必ず正史のキタローと彼の仲間に活躍を譲る立場だ。

 そんな彼女が正史扱いであるQシリーズに参戦する事になったので、何か理由があるのだろうと思っていた。メインは最新作の5とゲストキャラ、そして正史の34が続き、ハム子はイフとしての役割が与えられているはずと自分に言い聞かせた。34を差し置いて一番最初に5と合流するのも今作が初参戦だからだ、あらゆる紹介PVで一人だけ何かと出演シーンが多いのも気のせいだと思い込もうとした。

 けれど、実際はそうではなかった。

 ペルソナQ2というゲームは、

 

 後付けイフ女主人公が過去作最新作含めた正史キャラ全員に持ち上げられ、

 イフの元である本来の正史主人公の立場を乗っ取り、

 最新作のキャラ達を食う勢いで活躍しまくり、最新作主人公すら前座扱いし、

 それのみかゲストヒロインまで不自然なマンセー要員と化しほぼ全てのキャラがイフ女主を褒め称え、

 イフ存在だったはずの彼女が、最終的には実在するパラレルワールドの存在に昇格する。

 

 そういう、私が一番恐れ危惧したものが現実になったようなクロスオーバー作品だった。

 PQ2をプレイしていて感じた事は、「とにかくハム子の贔屓と接待とage、横暴ぶり、私可哀想アピールが目に付く」に尽きる。

 キャラ達が別の話をしていたらなぜか毎度のようにハム子が口を挟み、「私も私も」と自分の話に持っていこうとする。

 単純にハム子の活躍やお手柄が多く、しかも些細な事でも他キャラがそれを褒めそやす。

 自分の仲間ではないQ2の特別課外活動部の事を平気で侮辱する。なのに誰にも咎められない。

 侮辱する程度にはキタローの仲間に対して距離無し人間なのに、相手に「まだ自分達に対して壁があるよな」という台詞を言わせ、自分も「私はイレギュラー、私の居場所はない」と弱音を吐く。そしてそれを周りにフォローしてもらう。

 こう書くとざっくりしすぎていて恣意的だと言われそうなので、ゲーム内で気になったり不自然に感じてメモした事を順に羅列していく事にする。ものすごく長いがお付き合い下さい。

 

・迷宮内で仲間と行動していたP5メンバーは真と春がはぐれて敵に捕まり、同じく団体行動していたP4メンバーは陽介がはぐれ、りせが毒にかかり、P3メンバーもキタローアイギスがはぐれてそれぞれ危険な目に遭っていたのに、ハム子は単独で迷宮に迷い込んでも無傷でシャドウ相手に無双していた。

・ジョーカー達は映画館で出会ったナギとひかりの事を初対面時には警戒し、その後もしばらく観察を続けていたのに、ハム子の事は遭遇して即受け入れている。「同じペルソナ使いだから」との事だが、彼らはこの世には悪人のペルソナ使いがいる事を知っているのに…

・おまけに出会ってすぐにハム子の事を「俺達には不足しがちな陽のパワーを持っている」と高評価。ハム子は設定だけなら陽一択ではないはずなのに、それでいいのか?しかも人間観察に優れた祐介に言わせるという…そして人見知りの双葉も「コミュ力すげー」と好意的、ヘッドフォンネタで盛り上がる。

・怪盗団の格好を「個性的だね」と言うハム子。初対面で個性的という言葉を使うのはコミュ力マックスキャラとしてはいかがなものか。褒めている事になるのか?

・「自分には仲間がいる」と言っておきながら、「決めた!仲間が見つかるまで怪盗団に入らせて。私も貴方たちの仲間捜しを手伝うよ」と言うハム子。それをあっさり承諾するモナ達。ジョーカーの選択肢にも拒否権は無い。

・映画館に帰ってすぐにジョーカーの事を下の名前で呼ぶハム子。しかしなぜか杏の事は名字呼びで、杏の方から「名前でいいよ」と言わせる。

コミュ力高いとの事なのに、一人ぼっちで不安そうなひかりの事はあまり気にかけない。ロビーの人形劇ではジョーカーの隣を確保して延々おしゃべり。その間ひかりは少し離れた所で手持無沙汰にぽつんと佇んでいる。

・ハム子と合流後解禁されるロビー内会話で、ジョーカーの親友的立ち位置の竜司が「(ハム子名字)とジョーカーって気が合いそうだよな」と言う。

・怪盗団の仲間入りを意識する発言をするわりに、召喚器や腕章の事は誇らしそうに話す。

・第一迷宮ボスに対するハム子「あなたが正しいとは思わない。相手の言い分すらろくに聞かず、自分の物差しでしか判断しないじゃない」これ第二第三迷宮でジョーカー達全員に特大ブーメランぶっ刺さりましたね…

・ジョーカーの仲間捜しを手伝うと言った割に、はぐれた真と春の情報を聞こうとはしない。捜す気はあるのか。

・真と春が処刑されると聞いてもノーリアクションのハム子。ジョーカー達は動揺しているのに。

・一人が警官に変装して敵を立ち去らせる事になった際、自分から名乗り出るハム子。別に潜入役が女性である必要はないと思うのだが…未成年なのバレバレだし、無理があるのでは。なのに快諾する怪盗団達。

・警官コスの可愛いポリゴンモデルに変身し、「これで私も怪盗団の一員って事で」発言。怪盗団舐めてんの?

・敵の警官に接触するもすぐにバレ、捕まりそうになるが、手刀を叩き込み気絶させ、あっという間にふんじばってしまう。怪盗団の出る幕はない。それを褒められると「映画の見様見真似だけど、うまくいった」との事。

・帰還後モルガナ「ハム子のお陰で潜入ルートも確保できた」

・祐介に「どんな絵を描くの?」と聞いておきながら、祐介が詳しく話し出そうとすると「長くなりそうだからまた後で」で強制終了。コミュ力スゲーとは…

・第一迷宮ボスのカモシダーマンと対決する際、ジョーカーに被せる形で彼よりも派手に登場。ジョーカーはスポットライトを浴びて棒立ち登場だったが、ハム子は動揺したカモシダーマンの上から飛び降りて踏みつけ、腰に手を当てポーズを決める。この時なぜかモナを連れているせいでジョーカーよりも主人公っぽい。あとカメラアングルがスカートの中がギリギリ見えそうでちょっと気持ち悪かった…

・P4勢と合流すると、ロビーで今度はジョーカーと番長が会話している中に入る。相変わらずひかりの事は特に気にかけていない。

・女性陣が食材集めをする事になった時、使えそうだけど匂いがきついハーブを持ってきて賛否両論をもらった直斗(と春)、謎の卵を持ってきて微妙な反応をされた千枝、食虫植物を持ってきてドン引きされた雪子に続いて杏がマツタケと思しき茸を持ってきて好評を得るが、「ハム子ちゃんが最初に見つけて、怪盗団で採ってきたんだよ」…

・できた料理(見た目ムドオン分類)について、「誰が毒見する?」とパスを回すも、無理矢理食べさせられた陽介が「美味い!」と言うと真っ先に口をつけるハム子。

・他キャラの台詞を真似るハム子のくだりが多い。ジョーカーが「腹減った」と言うとハム子も「お腹すいた」と言い、番長が「結果オーライ…か?」と言うと「肉食恐竜がいなくなってくれたし、結果オーライでしょ!」と言い、ジョーカーと祐介が二人で右手が疼くネタでじゃれあっていたら「私も右手が疼いてきた」と口を出してくる。一番最後はハム子は全く関係ないシーンだったのだが。その無駄に台詞を繰り返すやつは何か意味があるのか。他人に同調してないと死ぬタイプの人間なのだろうか。

・第三迷宮に入った途端、「一人ぼっちの私可哀想」アピールが活性化。仲間で盛り上がる45勢を眺めて「仲間か…」と寂しそうな台詞を吐くハム子。

・迷宮内に落ちて召喚器(キタローが落としたもの)を拾い、仲間の心配をするハム子。怪盗団と特捜隊が「自分達もついてる」と慰める。

・P3勢と合流後、自己紹介になるといきなり特別課外活動部の個人情報を暴露し始める。ぶっきらぼうに自己紹介を終わらせた荒垣の目の前で「荒垣先輩ってね、すっごく優しいんだよ。料理もオカン級で、みんなにご飯作ってくれたり」と発言。荒垣にとって初対面の人間には知られたくない、恥ずかしい情報のはずなのに。

・荒垣が動揺すると「あ、その…ごめんなさい。私の知ってる荒垣先輩はそうで…違いました?」 もしかして君って思った事をそのまんま口に出して言っちゃうタイプ?そしてやはり特に咎められる事もないハム子。というか違っていたらどうするつもりだったのか。

・順平のお手上げ侍ネタを本人がやる前に「うーん、参っちゃったね。順平風に言えば、お手上げ侍!」と自分が先にやってしまうハム子。

・風花のペルソナ、ルキアがハム子の事をキタローと誤認した事が判明。Q2のキタローとハム子はペルソナの型やスキルやステータスがまるで違うのに。

・順平「キタローと似てる」ゆかり「初めて会うはずなのに馴染む」それに同意するコロマル。

・ハム子「でも、たとえみんなが私の事を知らなくても私にとっては大事な仲間なんだ。それだけは変わらないし、変えたくない」自分の仲間と他人の仲間を区別できない人だ…

・キタローとアイギスがピンチである事を知っているのに、迷宮探索中にコードネームネタで盛り上がる一同。そしてなぜかP3勢のコードネームを決め始めるハム子。ゆかりがピンクを好む事、天田が頑張ってブラックコーヒーを飲んでいる事を暴露。

・ハム子「荒垣先輩は『ガキゴロウさん』とかどうですか?」荒垣「は!?」ハム子「コロマルの事凄く可愛がってるし、いいかなって思ったんですけど…」君って人の気持ち読めないって言われない?

・ハム子「風花の事もよく知ってるよ。風花のコードネームは『ハッカー』とか『キラークッキング』とか…?」風花「あ、そっちの世界の私も料理の腕はイマイチなんですね…」ハム子「いまいちっていうか、殺人事件が起きそうなくらい?」誰かこいつの口を塞げ。

・殺人料理家呼ばわりされたのにフォローもされず放置の風花、なぜか咎められないハム子。

・ハム子「『ブリリアント』…は形容詞だから、『処刑女王』とかどう?」

・真田「ここまで俺たちのことを理解しているとは…なんだか、こっちまでそれが当たり前な気持ちになってくるな」

・ハム子のコードネームに対するジョーカーの選択肢「ヘッドフォン・ハリキリガール・美しき悪魔」

・ヘッドフォンを選ぶと風花が「あ、うちのリーダーもヘッドフォンつけてますよ」※注:キタローとハム子がつけている物はヘッドフォンではなくイヤホンorイヤフォンで統一されている。P3本編では他キャラにイヤホンマン呼びされ、Q1でも「イヤフォンの少年」表記

アイギスに似たロボットが敵の集団に襲われかけているのに、真田と荒垣を焚き付け競わせようとするハム子。なぜかほのぼのとした空気。

・キタローアイギスがいる場所に入る為に三つの試練をクリアするシナリオイベントが発生し、345それぞれが自分の得意な試練を選び三手に分かれる事になるが、そこでハム子がジョーカー、番長に並んでリーダーに任命される。その理由が「特別課外活動部の事をよく知っているから」

・ハム子「分からなくても行くしかないよ。なんとかなるって!」順平「おお、なんてダイタン…肝っ玉デカすぎじゃね?」モルガナ「それでこそ怪盗団の仲間だぜ」

・このイベント時、出発前に「皆の者、出陣だ!」とノリノリで号令をかけるハム子。

・ついに出会った二人。ハム子「すごく懐かしいような」キタロー「会ったこともないのに知ってるような気がして」

・キタロー「僕は君で、君は僕?」ハム子「私は彼で、彼は私?」一番言ってほしくない台詞を言わせやがった…しかもボイス付き…

・番長「大切なのは長さじゃない、築き上げた信頼の深さだ」

アイギス「ハム子さんも私の大切であります」「キタローさんと共に、ハム子さんは、わたしが守ります」

 ・アイギスロボ(愛称:リボン)「皆さんはなぜアイギスさんを個として認識しているのですか?」キタロー「答えはシンプル。アイギスは僕たちの仲間だから。それ以外の理由なんてない」

〜他キャラの同調台詞〜

ハム子「答えはシンプルだよ。さっき言ったでしょ。あなたも私たちの仲間だからだよ」だからその台詞繰り返すやつ要る?

 ・オルギアモードの説明になった時に口を出してくるハム子。そこはキタローでいいのでは?アイギスがオルギアモードを使ったのはキタローを守る時だったんだし。

 ・順平「ハム子とジョーカーには空気詠み達人の称号を進ぜよう」ハム子「あはは。順平はいつも通り変わんないね」

・↑な感じで和気あいあいとしているのに突然距離感を出し始めるハム子。そんな彼女を見て「やっぱり壁あるよな…」と気に掛ける順平とゆかり。ここで特別上映『世界を越えた絆』発生。内容はハム子の為にゆかり順平風花がジョーカーの協力を得て指輪の材料を集め、ハム子にプレゼントするというもの。指輪を渡す時のジョーカーの選択肢「日頃のお礼だ」「ねぎらいの気持ちだ」「仲間だからだ」

・第三迷宮ボス戦後、アイギスロボを気遣って涙まで流すハム子。

・第三迷宮でのキタローとハム子の識別番号が同じ事が判明。それによってエラーが発生する事を利用してボスまでのセキュリティーを突破する一同。「識別番号が同じ」という事を複雑に感じるハム子。キタローのリアクションは最後まで特になし。

・陽介「ハム子ちゃんも珍しくしんみりモードか?」ハム子「うん、胸がいっぱいになっちゃって。リボンちゃんも一人だったから他人事とは思えなくて」

・美鶴「とっくに君への信頼は充分だと判断している。もっときちんと言葉にするならば、この関係を「仲間」と呼ばせてほしい」順平「オレっちの事ももう一人のオレっち以上に頼りにしてくれていいんだぜ?」美鶴がハム子にそこまでの信頼を寄せるに至る描写は無かったのだが…ハム子が一方的にP3勢の個人情報を暴露し、真田と荒垣を競わせ、順平とゆかりに気を遣わせていたくらいか。

・第四迷宮に入ってひかりに焦点が当たった途端、突然ひかりの事を心配し始めるハム子。今まではそんな素振りは見せなかったのに。

おちゃらけ発言をする順平に 「どこの時空でも順平はしょーもない事しか言わないんだね」発言するハム子。それに順平が大げさに傷付いた素振りをしてみせたら「気にしない、気にしない!」と言ってその場から立ち去る。他でもないあなたが突然順平をdisったんですけど…

・ゆかり「誰よりも困ってるはずなのに、誰よりも明るくみんなを引っ張ってくれてるから」

・ジョーカー選択肢「すごく助かる」「大切なことだ」「真のムードメーカーだ」

・ここからひかりまでいきなりハム子の事を持ち上げ始める。「ハム子ちゃんがいてくれたから、私も立ち向かう勇気が出たんだよ」何も絡みは無かったのに。

・恥ずかしがるハム子にジョーカーの選択肢「キタローでもできない」 それを選ぶとアイギス「お二人のスペックは極めて似ています。ですが、その特異な立ち位置はハム子さん固有のものであります」ハム子「なんか照れちゃうな」……

・第四迷宮で苦しむひかりに「私も苦しかった。私がいた場所には彼(キタロー)がいて、自分がイレギュラーみたいに思えて…」と心情を吐露するハム子。まるでキタローがハム子の立場を乗っ取ったみたいな言い方する必要ある?

・ひかり「仲間とはぐれて、たった一人でもハム子ちゃんは強かった。いつも明るくて、負けるもんかって頑張ってて…私、励まされてたんだ」ハム子にはテオが一緒にいたんですが…

・真田美鶴荒垣とハム子の特別上映「世界を越えた信頼」は、いがみ合う真田と荒垣をまたもやハム子が焚き付け、敵の討伐数で勝者を決めるという内容。最終的には美鶴が「二人を手なずけたハム子が優勝」宣言。

・美鶴「君には、キタローとはまた違ったリーダーの器がある。そう確信したよ」真田「俺も同意する。キタローもハム子も、まったく大した奴らだな」

アイギス天田コロマルの特別上映フラグ発生時にアイギス「あなたにはキタローさんと同じものを感じます」「コロマルさんも、キタローさんと同じ何かを感じているようです」発言。

・〜世界を越えた運命のあらすじ〜

アイギスとコロマルがハム子に不思議な感覚を抱いてました
エリザベスからの依頼で第三のロボを直しにいきました
コロマルの嗅覚で依頼クリアしました
結局不思議な感覚の理由は分からなかったけどとりあえずこれからもよろしく!
世界を越えた運命の力に目覚めたよ!

終わり

・天田は空気だった

・この特別上映三つ全部にキタローは登場しない。話題にもほぼ出ない。

・ユニゾンの説明がそれぞれ「不思議な少女と絆を結んだ『同級生』『先輩』『仲間』の協力技」

・ハム子「みんなは私の世界の仲間と全然変わんないね」

・ナビ組の特別上映でのハム子「ナビ、一度でいいからやってみたいな。皆の者、敵だー撃て撃て〜!弾幕薄いぞー!とか叫んでみたい!」ナビの役目すら欲しがるんですね…

・祐介真田荒垣の特別上映でのハム子「荒垣先輩の料理、期待してていいよ!美味しいのはモチロン、食べてると心がほわ〜ってなって、幸せになれるんだ」荒垣「んなこと言われるとやりづれえだろ」順平「もしかして荒垣サン、照れちゃってます〜?」

・別のシーンで風花が「うちのリーダーもですけど…皆さんのリーダーも頼もしいですね」とやっとキタローを褒めるとりせが「ハム子さんも度胸あるしさ!」と言い出す。ノルマなのか。

・ハム子「そうだよ。私たちが出会った意味はきっとあるはず!」

・順平陽介竜司の特別上映にて、「キタローと書いてライバルっての?キタロー以外には考えられないね、うん」とキタローに聞かれていないと思って褒める順平。そこに嬉しそうに現れるキタロー…となぜかハム子。

・順平「まさかハム子やキタローにも聞かれてた…?」ハム子「しっかり聞こえてましたよー?なんかありがと、順平。私まで嬉しくなっちゃった」この子、キタローへの褒め言葉を自分へのものと勘違いしてる…

・美鶴「見事だ、ハム子。皆に勇気を与える戦いぶりだった」

・ハム子「想いを持てば、願いは叶う。そう教えられたのかな」

・「自分は、他の誰でもない。似てる事はあっても、全く同じ人はいない」これを今頃(ラスボス戦時)キタローに言わすのか…

・ハム子「私は私を否定しない。人と違うことを決して恐れない!」

・ラスボス戦突入時もジョーカーの隣をキープするハム子が映って戦闘開始。キタロー番長の姿は確認できなかった

・ラスボスイベント演出で全員消滅させられても真っ先に復活するハム子。次いでキタロー、番長、ジョーカーの順で復活。四人のワイルドのユニゾンでトドメ。

・お別れの時にキタローからハム子を呼び止め、「君に会えて良かった」と握手を求める。ハム子「ねえ、キタローくん。私達、またいつか…ううん、なんでもない。元気でね!」キタロー「ああ。君も」ゆっくりすれ違って歩いていく二人。

・帰還後、それぞれのラストエピソード。映画を借りて寮に帰り、みんなと映画を観るキタロー。堂島家でみんな集まって映画を観る番長。

・自室で目覚めるハム子。そこへやってくる彼女の仲間達。映画を借りてきたからみんなで観よう、と言う彼ら。ハム子「なんか、みんな懐かしいなあって。でも、どうしてだろ。ずっとみんなに会いたかった気がする」

・スタッフロールは迷宮での思い出を振り返る一枚絵が表示される演出だが、ひかりに次いでハム子のイラストが多い。締めの絵も双葉、ひかり、ハム子の和やかな絵。ちなみにそんなシーンは作中では無かった。

・その中の一枚に雑談する明智(と直斗)を後ろからメガホンで驚かそうとするハム子のものがある。場合によっては難聴になるれっきとした暴力行為なので、質の悪すぎるイタズラだと思う。後ろでひかりが止めようとしてるのもお構いなし。

・エンディングが終わり、モヤモヤしながらクリアデータをロードするとワイルド四人のユニゾンが強制的に追加されていた。

・本当の本当におわり

 

 

 

 …………。

 失神していてもしょうがないので、話を進める。

 私個人の私情が大いに入った感想メモなのは申し訳ないが、添えられたつっこみを除けば書かれてある事は全て事実だ。

 ハム子ageだけならまだいい。ジョーカーにキタローをsageてハム子をageる選択肢を言わせる、キタローの仲間がキタローを放置してハム子をリーダーと同じだと褒めそやす、他のキャラもそれに同調するのが耐えられなかった。

 自分の仲間とキタローの仲間も区別できないハム子が、キタローの仲間を平気で侮辱し、お咎めなしなのも泣いた。怪盗団に入れてほしいと言ったり、キタローの仲間を乗っ取ったり侮辱する…そんな風に間接的に自分の仲間を蔑ろにしているハム子が持ち上げられている異常さに、作中のキャラも制作陣も誰も気づかなかったのか。

 自分の仲間の順平に軽口を叩くならいい。でもQ2のP3勢はハム子の仲間ではない。キタローの大切な仲間だ。なのにハム子がゆかりや風花や天田や荒垣の個人情報を暴露し、平気で恥をかかせ、順平を馬鹿にするのはどう考えても間違っている。

 第四迷宮でひかりがスポットライトを浴びれば「自分もひとりぼっちのイレギュラーだ」とアピールを欠かさないが、ハム子にはテオドアがついているし、仲間も元の世界にちゃんといる。彼女の仲間が失われたわけでも、奪われたわけでもない。一時的に一人になっているだけなのに寂しがり、キタローの仲間を欲しがるとはどういう事なのだろう。そのくせキタローポジションの乗っ取りが完了したら、自分の仲間の事は少しも懐かしがらなくなる。その思考回路と精神には恐怖すら覚える。

 ゲーム本編でさんざん同調圧力は悪だ、個性を大切にしろと言っていたのに、ハム子は仲間だという同調圧力を強いるようなシナリオに仕上げた制作陣は何なのだろう。キタローの個性を否定するようなハム子ageageシナリオを以てして「個性は大事だ」と吹聴するのか。

 美鶴には、「私たちはお前の仲間と同じ顔をしているが、決して同じ存在ではない。お前がお前の仲間を大切に想うのなら、P3主や私たちの関係も大切にしてほしい」と言って欲しかった。キタローには「僕の仲間を侮辱しないでほしい」と言って欲しかった。

 PQ2でのハム子は、コミュ力高い属性を武器にしてキタロー達をsageまくり、キタローの仲間を一時的にしろ奪い取り、特別課外活動部の絆をめちゃくちゃに踏みにじって自分の世界とやらに帰っていっただけだった。

 発売前にあれほど公式が宣伝していた「キタローとハム子の出逢い」に意味なんてなかった。二人の絡みは初対面時と別れの時以外全くなかった。皆無だ。お互いが相手をどう思っているかの描写も無かった。そもそもキタローは完全に空気だった。ハム子ばかり持ち上げられ、ハム子ばかりキタローの仲間との絆を描かれただけだった。

 そしてハム子は転生ペルソナすらキタローの「メサイア」をあてがわれ、キタローは性能と解禁要素こそトップクラスだが見た目や設定はオルフェウスの色違い止まりである「オルフェウス・改」に格下げとなった。

 原作やペルソナQをプレイし、メディアミックス作品も履修していたら、メサイアがいかにキタローにとって大事なペルソナか分かるだろうに。

 

 スタッフは多分、Pシリーズをよく理解していない人間の寄せ集めなのだろう。

 だから番長に菜々子の事を姪と言わせたり、イフ存在のはずのハム子を正史として扱ったり、キタローハム子をヘッドフォン人間と書いてしまうのだろう。大切に扱うと言っていたはずのハム子でさえこれなのだ。ハム子がポータブルで雪子と出会っている事、テオに姉がいるとハム子が知っている事もスタッフは知らないのだろうな。ハム子はMP3をキタローのようにネックストラップで首から下げてはいないのだが、PQ2のハム子は立ち絵からポリゴンモデルまでキタローと同じ色のネックストラップをつけているので、キャラクター原案の副島さんによる設定画もろくに見ない、ハム子のデザインもよく覚えていないスタッフの寄せ集めなんだろうな。

 発売前に指摘されていたアニメムービーのキタローの腕章忘れも特に理由がなく、ただの作画ミスだったし、何もかも雑としか言いようがない。腕章はボコスカ立ち絵でもキタローだけ忘れられていたし、何なの…。

 原作に愛のないスタッフに待望のPQ2をグチャグチャに破壊され、過去作すらコケにされてしまい、どうしていいか分からなくなった。

 姪発言と同じくハム子正史扱いは「分かり切った間違い」なので、私の中ではPQ2は間違いだらけの同人ゲーだし、P3の主人公はキタローのままだ。それでもこんなものが公式から出された事がショックで仕方ない。

 最新作でありメインのはずのP5勢や、ゲストヒロインすら踏み台にして、ハム子という存在がひたすら持ち上げられただけのゲーム。それが私のペルソナQ2の評価だ。

 もちろん良い所はあった。ハム子が絡まない特別上映のシナリオはおおむね良作だったし、危惧されていた明智の扱いもかなり適切だった。ゲストヒロインのひかりのエピソードも感動した。

 だが、前作と比べてシナリオは単調で捻りがなく、ラスボス周りも唐突感が否めなかった。とにかく描写が足りない、これに尽きる。ルートは一本に固定されたがその分ボリュームは増えているとプロデューサーは言っていたが、明らかに前作よりも描写は少ない。単純にキャラが増えた事も含め、前作の「校内散策」と「依頼」が「特別上映」にまとめられ、映画館内での交流がとても少なく、ひかりが戦闘要員ではなかったので彼女との絡みも少なくなる。第三迷宮まで彼女は蚊帳の外だった。

 また、待望の主人公同士の絡みも少なかった。ほぼ空気だったキタローは勿論、番長とジョーカーすらろくに絡んでいない。特別上映での絡みはギャグ寄りで、リーダーとして真面目な対話をするのは本当にごく一言二言だけだった。おまけに前作のような特別な別れの挨拶も無しで、何のために出会ったのかも分からなかった。そこをライターは「いざ話すとなると、何を話していいか分からない」「言葉が要らない関係なんですね」とキャラに言わせる事で終わらせるという手法を取ってきたが、コレ、世間一般的には手抜きと言う。

 P3勢に至っては、召喚器や腕章という絶好のネタはハム子に先取りされ、交流を深めてお互いを理解していく過程もハム子が自己紹介時にベラベラと個人情報を垂れ流したせいでそれも無しになった。特別上映を除き、彼らの出番は基本的にハム子ageで終わる。

 描写らしい描写は無く、主人公らしい活躍も描かず、やるべき事は台詞で終わらせ、とにかくハム子を持ち上げる事に集中した結果がこれなのかな、と思った。多分ライターの中では、エンドロールのイラストのような心温まる交流がたくさんあったという事になっているのだろう。

 メインシナリオのテーマもお粗末で、「同調圧力を強いるな」「価値観を押し付けるな」という価値観をジョーカー達がボスに押し付けるというダブスタシナリオだった。プレイヤーに選択権は無いし、映画を観ているひかりすらその選択に関われない。非力な草食恐竜に一致団結して肉食恐竜に抗えと言ったり、量産されたロボットやその統率者にロボットの個性を認めろと言ったり、自分達から彼らの領域に踏み込んでおいてこれではめちゃくちゃだ。元ネタの映画にも反するテーマなだけに、残念でならない。

 特別上映だけはいいので、それだけを目当てにプレイするのもありなのかもしれない。クマいじめとかは今回は酷くなかったし。陽介や明智に甘えるクマが可愛かったです。姪発言以外にも呼称間違いとかちょいちょいあるけど。番長とかなぜか今回はキタローを名字呼びで、相棒への呼び方も花村だったり陽介だったり統一されていなかった。一番大事な所だと思うのだが…。

 

 UIや戦闘ボイス周りにも不満が多いが、ハム子の事さえなければ大目に見られるゲームだった。

 こんな最強愛されドリヒロみたいな後付けキャラを九年ぶりに出して受け入れられるとスタッフが思っていたのなら大間違いだが、どうやら彼らはそれでおかしいとは思っていないみたいだし、ハム子も主人公だから派生に出せと暴れていたハム子推し界隈も大満足のようなので、もういいかと思う。P3を初めとしたPシリーズには二度と触れてほしくはないが。

 PQ2に巻き込まれ、ハム子の接待をさせられたジョーカー達がただただ可哀想で仕方ないゲームだった。ユニゾンの数も、一つしかないキャラがいたりするのにハム子は四つある。ジョーカーも三つ止まりなのに。特別上映やED絵の数も一人だけ多く、これでハム子は贔屓されていない、ジョーカーは蔑ろにされていないは無理がある。見せ場だらけだったハム子と違ってジョーカーもこれといった見せ場はなかったし、あってもハム子に後ろから被せられたし、番長ともろくに話をさせてもらえないし、挙句の果てに先輩主人公のsage役に回されるし…。

 番長も慎重で落ち着いたキャラのはずなのに、問答無用でジョーカーに斬りかかる蛮族みたいなキャラにされてしまった。スタッフが番長とジョーカーの対決を書きたかっただけだろ。しかも斬りかかっておいてジョーカー達に解毒剤を持っていないか聞く面の厚さ。こんな最低な人間がみんなの憧れの存在である番長だなんて思いたくないのだが。

 キタローとハム子を出会わせておいて何も発展させなかった事といい、制作陣はやりたいシチュエーションや客寄せになりそうなエピソードだけ書いておいて整合性はまるで無視、書いたら投げっぱなしという印象が終始拭えなかった。オープニング映像の意味深な明智やハム子って何だったんだろうね。カモシダーマンや陽介と同じ顔をした恐竜やアイギスに似たロボットもガワだけで、その見た目に特に意味はなかった。

 何から何まで、話題性と客釣りを重視して中身を疎かにしたらこうなるだろう、としか言いようがないゲームだった。

 公表されているQ2の重要そうなエピソードに惹かれて購入するのはやめておいた方がいい、と私からは言わせてもらう。何もないから。マジで。

 

 まだまだ書き足りない事はあるが、疲れたのでここらで一端休む。気力があれば別記事で続きを書きます。→書きました。

 ゲームをやって感動ではなくショックで泣いたのは、後にも先にもP3F後日談とPQ2だけだよ。

 

最後に。

「経験は奪えない。だから、“自分”は誰にも奪えない…決して。」

ペルソナQ2スタッフは、Q1のキタローのこの台詞を100回音読して下さいね。