ペルソナQ2感想(主にハム子の事)

 

・2022年追記

ペルソナQ2が発売されてから結構な年月が経ちました。

当時の記事を振り返ってみると、怒りに任せて色々と痛々しい事ばかり書きなぐったなあと思いますが、この時感じた痛みや怒りはログとして残しておきたいのでそのままにしておきます。

本当に大好きなんですよ、ペルソナ3

その気持ちとペルソナ3そのものを、ペルソナ3を大切に思わない公式、無神経なハム子ファン、愉快犯的な野次馬にグチャグチャに踏み躙られました。

このはてブロに寄せられた暴言や誹謗中傷や上から目線のジャッジコメントも、こういうものをわざわざ個人に直接吐いてくる人達がいた事を示すログとして、基本的にそのままにしてあります。

 

 

 

 

※この記事では、ペルソナQ2のP3P女主人公(ハム子)に関わるあらゆるネタバレを含みます。

ラスボス、ゲストキャラ関連のネタバレはありません。

 

 

 

 先日、ペルソナQ2をクリアした。

 初報CMでハム子の参戦が公表されてから約四ヶ月、大人げなくキレたり、あまりのショックに泣いたり、広報によるキタロー冷遇に傷ついたり、愚痴アカウントやブログを作ったり、色々あった。

 つらい事の方がはるかに多かったが、良い事もあった。それはポータブルのハム子を好きになれた事だ。

 初めてハム子ルートをプレイした時は、本家のキタロールートからの改変ぶりや原作キャラの性格崩壊ばかり目について、プレイヤーキャラであるハム子の事は特別好きにも嫌いにもならなかった。だが、PQ2発売に向けてもう一度プレイしてみる気になり、キタロールートのクリアデータを引き継いで最初からエンディングまで遊んでみたが、ダンジョンで操作するハム子のポリゴンモデルは可愛いし、選択肢も微笑ましくていいな、と思えた。

 ハム子ルートのシナリオそのものは嫌いなままだし、ハム子をペルソナ3の主人公としては認められないが、あくまでポータブル限定のイフであるならば話は別だ。むしろイフだからこそ許される主人公でありルートであるので、それを否定はしない。イフ主人公としての彼女を、私は好きになれた。

 だから、PQ2でも彼女がイフ存在のままであり、適切な扱いを受けていたら、きっとPQ2のハム子も受け入れられただろう。

 

 私個人の感傷はひとまず置いておき、本題に入る。

『ペルソナQ2』は、ペルソナ345とペルソナ3ポータブルのクロスオーバー、28人のペルソナ使いの夢の共演という触れ込みのゲームだった。

 時間軸は違えど世界そのものは地続きのペルソナ345とは違い、ペルソナ3ポータブルのハム子は、「絶対に存在しない究極のイフ」として生み出された、言うなればエイプリルフール限定の存在のようなものだ。ペルソナ3にスポットライトが当たる時は、必ず正史のキタローと彼の仲間に活躍を譲る立場だ。

 そんな彼女が正史扱いであるQシリーズに参戦する事になったので、何か理由があるのだろうと思っていた。メインは最新作の5とゲストキャラ、そして正史の34が続き、ハム子はイフとしての役割が与えられているはずと自分に言い聞かせた。34を差し置いて一番最初に5と合流するのも今作が初参戦だからだ、あらゆる紹介PVで一人だけ何かと出演シーンが多いのも気のせいだと思い込もうとした。

 けれど、実際はそうではなかった。

 ペルソナQ2というゲームは、

 

 後付けイフ女主人公が過去作最新作含めた正史キャラ全員に持ち上げられ、

 イフの元である本来の正史主人公の立場を乗っ取り、

 最新作のキャラ達を食う勢いで活躍しまくり、最新作主人公すら前座扱いし、

 それのみかゲストヒロインまで不自然なマンセー要員と化しほぼ全てのキャラがイフ女主を褒め称え、

 イフ存在だったはずの彼女が、最終的には実在するパラレルワールドの存在に昇格する。

 

 そういう、私が一番恐れ危惧したものが現実になったようなクロスオーバー作品だった。

 PQ2をプレイしていて感じた事は、「とにかくハム子の贔屓と接待とage、横暴ぶり、私可哀想アピールが目に付く」に尽きる。

 キャラ達が別の話をしていたらなぜか毎度のようにハム子が口を挟み、「私も私も」と自分の話に持っていこうとする。

 単純にハム子の活躍やお手柄が多く、しかも些細な事でも他キャラがそれを褒めそやす。

 自分の仲間ではないQ2の特別課外活動部の事を平気で侮辱する。なのに誰にも咎められない。

 侮辱する程度にはキタローの仲間に対して距離無し人間なのに、相手に「まだ自分達に対して壁があるよな」という台詞を言わせ、自分も「私はイレギュラー、私の居場所はない」と弱音を吐く。そしてそれを周りにフォローしてもらう。

 こう書くとざっくりしすぎていて恣意的だと言われそうなので、ゲーム内で気になったり不自然に感じてメモした事を順に羅列していく事にする。ものすごく長いがお付き合い下さい。

 

・迷宮内で仲間と行動していたP5メンバーは真と春がはぐれて敵に捕まり、同じく団体行動していたP4メンバーは陽介がはぐれ、りせが毒にかかり、P3メンバーもキタローアイギスがはぐれてそれぞれ危険な目に遭っていたのに、ハム子は単独で迷宮に迷い込んでも無傷でシャドウ相手に無双していた。

・ジョーカー達は映画館で出会ったナギとひかりの事を初対面時には警戒し、その後もしばらく観察を続けていたのに、ハム子の事は遭遇して即受け入れている。「同じペルソナ使いだから」との事だが、彼らはこの世には悪人のペルソナ使いがいる事を知っているのに…

・おまけに出会ってすぐにハム子の事を「俺達には不足しがちな陽のパワーを持っている」と高評価。ハム子は設定だけなら陽一択ではないはずなのに、それでいいのか?しかも人間観察に優れた祐介に言わせるという…そして人見知りの双葉も「コミュ力すげー」と好意的、ヘッドフォンネタで盛り上がる。

・怪盗団の格好を「個性的だね」と言うハム子。初対面で個性的という言葉を使うのはコミュ力マックスキャラとしてはいかがなものか。褒めている事になるのか?

・「自分には仲間がいる」と言っておきながら、「決めた!仲間が見つかるまで怪盗団に入らせて。私も貴方たちの仲間捜しを手伝うよ」と言うハム子。それをあっさり承諾するモナ達。ジョーカーの選択肢にも拒否権は無い。

・映画館に帰ってすぐにジョーカーの事を下の名前で呼ぶハム子。しかしなぜか杏の事は名字呼びで、杏の方から「名前でいいよ」と言わせる。

コミュ力高いとの事なのに、一人ぼっちで不安そうなひかりの事はあまり気にかけない。ロビーの人形劇ではジョーカーの隣を確保して延々おしゃべり。その間ひかりは少し離れた所で手持無沙汰にぽつんと佇んでいる。

・ハム子と合流後解禁されるロビー内会話で、ジョーカーの親友的立ち位置の竜司が「(ハム子名字)とジョーカーって気が合いそうだよな」と言う。

・怪盗団の仲間入りを意識する発言をするわりに、召喚器や腕章の事は誇らしそうに話す。

・第一迷宮ボスに対するハム子「あなたが正しいとは思わない。相手の言い分すらろくに聞かず、自分の物差しでしか判断しないじゃない」これ第二第三迷宮でジョーカー達全員に特大ブーメランぶっ刺さりましたね…

・ジョーカーの仲間捜しを手伝うと言った割に、はぐれた真と春の情報を聞こうとはしない。捜す気はあるのか。

・真と春が処刑されると聞いてもノーリアクションのハム子。ジョーカー達は動揺しているのに。

・一人が警官に変装して敵を立ち去らせる事になった際、自分から名乗り出るハム子。別に潜入役が女性である必要はないと思うのだが…未成年なのバレバレだし、無理があるのでは。なのに快諾する怪盗団達。

・警官コスの可愛いポリゴンモデルに変身し、「これで私も怪盗団の一員って事で」発言。怪盗団舐めてんの?

・敵の警官に接触するもすぐにバレ、捕まりそうになるが、手刀を叩き込み気絶させ、あっという間にふんじばってしまう。怪盗団の出る幕はない。それを褒められると「映画の見様見真似だけど、うまくいった」との事。

・帰還後モルガナ「ハム子のお陰で潜入ルートも確保できた」

・祐介に「どんな絵を描くの?」と聞いておきながら、祐介が詳しく話し出そうとすると「長くなりそうだからまた後で」で強制終了。コミュ力スゲーとは…

・第一迷宮ボスのカモシダーマンと対決する際、ジョーカーに被せる形で彼よりも派手に登場。ジョーカーはスポットライトを浴びて棒立ち登場だったが、ハム子は動揺したカモシダーマンの上から飛び降りて踏みつけ、腰に手を当てポーズを決める。この時なぜかモナを連れているせいでジョーカーよりも主人公っぽい。あとカメラアングルがスカートの中がギリギリ見えそうでちょっと気持ち悪かった…

・P4勢と合流すると、ロビーで今度はジョーカーと番長が会話している中に入る。相変わらずひかりの事は特に気にかけていない。

・女性陣が食材集めをする事になった時、使えそうだけど匂いがきついハーブを持ってきて賛否両論をもらった直斗(と春)、謎の卵を持ってきて微妙な反応をされた千枝、食虫植物を持ってきてドン引きされた雪子に続いて杏がマツタケと思しき茸を持ってきて好評を得るが、「ハム子ちゃんが最初に見つけて、怪盗団で採ってきたんだよ」…

・できた料理(見た目ムドオン分類)について、「誰が毒見する?」とパスを回すも、無理矢理食べさせられた陽介が「美味い!」と言うと真っ先に口をつけるハム子。

・他キャラの台詞を真似るハム子のくだりが多い。ジョーカーが「腹減った」と言うとハム子も「お腹すいた」と言い、番長が「結果オーライ…か?」と言うと「肉食恐竜がいなくなってくれたし、結果オーライでしょ!」と言い、ジョーカーと祐介が二人で右手が疼くネタでじゃれあっていたら「私も右手が疼いてきた」と口を出してくる。一番最後はハム子は全く関係ないシーンだったのだが。その無駄に台詞を繰り返すやつは何か意味があるのか。他人に同調してないと死ぬタイプの人間なのだろうか。

・第三迷宮に入った途端、「一人ぼっちの私可哀想」アピールが活性化。仲間で盛り上がる45勢を眺めて「仲間か…」と寂しそうな台詞を吐くハム子。

・迷宮内に落ちて召喚器(キタローが落としたもの)を拾い、仲間の心配をするハム子。怪盗団と特捜隊が「自分達もついてる」と慰める。

・P3勢と合流後、自己紹介になるといきなり特別課外活動部の個人情報を暴露し始める。ぶっきらぼうに自己紹介を終わらせた荒垣の目の前で「荒垣先輩ってね、すっごく優しいんだよ。料理もオカン級で、みんなにご飯作ってくれたり」と発言。荒垣にとって初対面の人間には知られたくない、恥ずかしい情報のはずなのに。

・荒垣が動揺すると「あ、その…ごめんなさい。私の知ってる荒垣先輩はそうで…違いました?」 もしかして君って思った事をそのまんま口に出して言っちゃうタイプ?そしてやはり特に咎められる事もないハム子。というか違っていたらどうするつもりだったのか。

・順平のお手上げ侍ネタを本人がやる前に「うーん、参っちゃったね。順平風に言えば、お手上げ侍!」と自分が先にやってしまうハム子。

・風花のペルソナ、ルキアがハム子の事をキタローと誤認した事が判明。Q2のキタローとハム子はペルソナの型やスキルやステータスがまるで違うのに。

・順平「キタローと似てる」ゆかり「初めて会うはずなのに馴染む」それに同意するコロマル。

・ハム子「でも、たとえみんなが私の事を知らなくても私にとっては大事な仲間なんだ。それだけは変わらないし、変えたくない」自分の仲間と他人の仲間を区別できない人だ…

・キタローとアイギスがピンチである事を知っているのに、迷宮探索中にコードネームネタで盛り上がる一同。そしてなぜかP3勢のコードネームを決め始めるハム子。ゆかりがピンクを好む事、天田が頑張ってブラックコーヒーを飲んでいる事を暴露。

・ハム子「荒垣先輩は『ガキゴロウさん』とかどうですか?」荒垣「は!?」ハム子「コロマルの事凄く可愛がってるし、いいかなって思ったんですけど…」君って人の気持ち読めないって言われない?

・ハム子「風花の事もよく知ってるよ。風花のコードネームは『ハッカー』とか『キラークッキング』とか…?」風花「あ、そっちの世界の私も料理の腕はイマイチなんですね…」ハム子「いまいちっていうか、殺人事件が起きそうなくらい?」誰かこいつの口を塞げ。

・殺人料理家呼ばわりされたのにフォローもされず放置の風花、なぜか咎められないハム子。

・ハム子「『ブリリアント』…は形容詞だから、『処刑女王』とかどう?」

・真田「ここまで俺たちのことを理解しているとは…なんだか、こっちまでそれが当たり前な気持ちになってくるな」

・ハム子のコードネームに対するジョーカーの選択肢「ヘッドフォン・ハリキリガール・美しき悪魔」

・ヘッドフォンを選ぶと風花が「あ、うちのリーダーもヘッドフォンつけてますよ」※注:キタローとハム子がつけている物はヘッドフォンではなくイヤホンorイヤフォンで統一されている。P3本編では他キャラにイヤホンマン呼びされ、Q1でも「イヤフォンの少年」表記

アイギスに似たロボットが敵の集団に襲われかけているのに、真田と荒垣を焚き付け競わせようとするハム子。なぜかほのぼのとした空気。

・キタローアイギスがいる場所に入る為に三つの試練をクリアするシナリオイベントが発生し、345それぞれが自分の得意な試練を選び三手に分かれる事になるが、そこでハム子がジョーカー、番長に並んでリーダーに任命される。その理由が「特別課外活動部の事をよく知っているから」

・ハム子「分からなくても行くしかないよ。なんとかなるって!」順平「おお、なんてダイタン…肝っ玉デカすぎじゃね?」モルガナ「それでこそ怪盗団の仲間だぜ」

・このイベント時、出発前に「皆の者、出陣だ!」とノリノリで号令をかけるハム子。

・ついに出会った二人。ハム子「すごく懐かしいような」キタロー「会ったこともないのに知ってるような気がして」

・キタロー「僕は君で、君は僕?」ハム子「私は彼で、彼は私?」一番言ってほしくない台詞を言わせやがった…しかもボイス付き…

・番長「大切なのは長さじゃない、築き上げた信頼の深さだ」

アイギス「ハム子さんも私の大切であります」「キタローさんと共に、ハム子さんは、わたしが守ります」

 ・アイギスロボ(愛称:リボン)「皆さんはなぜアイギスさんを個として認識しているのですか?」キタロー「答えはシンプル。アイギスは僕たちの仲間だから。それ以外の理由なんてない」

〜他キャラの同調台詞〜

ハム子「答えはシンプルだよ。さっき言ったでしょ。あなたも私たちの仲間だからだよ」だからその台詞繰り返すやつ要る?

 ・オルギアモードの説明になった時に口を出してくるハム子。そこはキタローでいいのでは?アイギスがオルギアモードを使ったのはキタローを守る時だったんだし。

 ・順平「ハム子とジョーカーには空気詠み達人の称号を進ぜよう」ハム子「あはは。順平はいつも通り変わんないね」

・↑な感じで和気あいあいとしているのに突然距離感を出し始めるハム子。そんな彼女を見て「やっぱり壁あるよな…」と気に掛ける順平とゆかり。ここで特別上映『世界を越えた絆』発生。内容はハム子の為にゆかり順平風花がジョーカーの協力を得て指輪の材料を集め、ハム子にプレゼントするというもの。指輪を渡す時のジョーカーの選択肢「日頃のお礼だ」「ねぎらいの気持ちだ」「仲間だからだ」

・第三迷宮ボス戦後、アイギスロボを気遣って涙まで流すハム子。

・第三迷宮でのキタローとハム子の識別番号が同じ事が判明。それによってエラーが発生する事を利用してボスまでのセキュリティーを突破する一同。「識別番号が同じ」という事を複雑に感じるハム子。キタローのリアクションは最後まで特になし。

・陽介「ハム子ちゃんも珍しくしんみりモードか?」ハム子「うん、胸がいっぱいになっちゃって。リボンちゃんも一人だったから他人事とは思えなくて」

・美鶴「とっくに君への信頼は充分だと判断している。もっときちんと言葉にするならば、この関係を「仲間」と呼ばせてほしい」順平「オレっちの事ももう一人のオレっち以上に頼りにしてくれていいんだぜ?」美鶴がハム子にそこまでの信頼を寄せるに至る描写は無かったのだが…ハム子が一方的にP3勢の個人情報を暴露し、真田と荒垣を競わせ、順平とゆかりに気を遣わせていたくらいか。

・第四迷宮に入ってひかりに焦点が当たった途端、突然ひかりの事を心配し始めるハム子。今まではそんな素振りは見せなかったのに。

おちゃらけ発言をする順平に 「どこの時空でも順平はしょーもない事しか言わないんだね」発言するハム子。それに順平が大げさに傷付いた素振りをしてみせたら「気にしない、気にしない!」と言ってその場から立ち去る。他でもないあなたが突然順平をdisったんですけど…

・ゆかり「誰よりも困ってるはずなのに、誰よりも明るくみんなを引っ張ってくれてるから」

・ジョーカー選択肢「すごく助かる」「大切なことだ」「真のムードメーカーだ」

・ここからひかりまでいきなりハム子の事を持ち上げ始める。「ハム子ちゃんがいてくれたから、私も立ち向かう勇気が出たんだよ」何も絡みは無かったのに。

・恥ずかしがるハム子にジョーカーの選択肢「キタローでもできない」 それを選ぶとアイギス「お二人のスペックは極めて似ています。ですが、その特異な立ち位置はハム子さん固有のものであります」ハム子「なんか照れちゃうな」……

・第四迷宮で苦しむひかりに「私も苦しかった。私がいた場所には彼(キタロー)がいて、自分がイレギュラーみたいに思えて…」と心情を吐露するハム子。まるでキタローがハム子の立場を乗っ取ったみたいな言い方する必要ある?

・ひかり「仲間とはぐれて、たった一人でもハム子ちゃんは強かった。いつも明るくて、負けるもんかって頑張ってて…私、励まされてたんだ」ハム子にはテオが一緒にいたんですが…

・真田美鶴荒垣とハム子の特別上映「世界を越えた信頼」は、いがみ合う真田と荒垣をまたもやハム子が焚き付け、敵の討伐数で勝者を決めるという内容。最終的には美鶴が「二人を手なずけたハム子が優勝」宣言。

・美鶴「君には、キタローとはまた違ったリーダーの器がある。そう確信したよ」真田「俺も同意する。キタローもハム子も、まったく大した奴らだな」

アイギス天田コロマルの特別上映フラグ発生時にアイギス「あなたにはキタローさんと同じものを感じます」「コロマルさんも、キタローさんと同じ何かを感じているようです」発言。

・〜世界を越えた運命のあらすじ〜

アイギスとコロマルがハム子に不思議な感覚を抱いてました
エリザベスからの依頼で第三のロボを直しにいきました
コロマルの嗅覚で依頼クリアしました
結局不思議な感覚の理由は分からなかったけどとりあえずこれからもよろしく!
世界を越えた運命の力に目覚めたよ!

終わり

・天田は空気だった

・この特別上映三つ全部にキタローは登場しない。話題にもほぼ出ない。

・ユニゾンの説明がそれぞれ「不思議な少女と絆を結んだ『同級生』『先輩』『仲間』の協力技」

・ハム子「みんなは私の世界の仲間と全然変わんないね」

・ナビ組の特別上映でのハム子「ナビ、一度でいいからやってみたいな。皆の者、敵だー撃て撃て〜!弾幕薄いぞー!とか叫んでみたい!」ナビの役目すら欲しがるんですね…

・祐介真田荒垣の特別上映でのハム子「荒垣先輩の料理、期待してていいよ!美味しいのはモチロン、食べてると心がほわ〜ってなって、幸せになれるんだ」荒垣「んなこと言われるとやりづれえだろ」順平「もしかして荒垣サン、照れちゃってます〜?」

・別のシーンで風花が「うちのリーダーもですけど…皆さんのリーダーも頼もしいですね」とやっとキタローを褒めるとりせが「ハム子さんも度胸あるしさ!」と言い出す。ノルマなのか。

・ハム子「そうだよ。私たちが出会った意味はきっとあるはず!」

・順平陽介竜司の特別上映にて、「キタローと書いてライバルっての?キタロー以外には考えられないね、うん」とキタローに聞かれていないと思って褒める順平。そこに嬉しそうに現れるキタロー…となぜかハム子。

・順平「まさかハム子やキタローにも聞かれてた…?」ハム子「しっかり聞こえてましたよー?なんかありがと、順平。私まで嬉しくなっちゃった」この子、キタローへの褒め言葉を自分へのものと勘違いしてる…

・美鶴「見事だ、ハム子。皆に勇気を与える戦いぶりだった」

・ハム子「想いを持てば、願いは叶う。そう教えられたのかな」

・「自分は、他の誰でもない。似てる事はあっても、全く同じ人はいない」これを今頃(ラスボス戦時)キタローに言わすのか…

・ハム子「私は私を否定しない。人と違うことを決して恐れない!」

・ラスボス戦突入時もジョーカーの隣をキープするハム子が映って戦闘開始。キタロー番長の姿は確認できなかった

・ラスボスイベント演出で全員消滅させられても真っ先に復活するハム子。次いでキタロー、番長、ジョーカーの順で復活。四人のワイルドのユニゾンでトドメ。

・お別れの時にキタローからハム子を呼び止め、「君に会えて良かった」と握手を求める。ハム子「ねえ、キタローくん。私達、またいつか…ううん、なんでもない。元気でね!」キタロー「ああ。君も」ゆっくりすれ違って歩いていく二人。

・帰還後、それぞれのラストエピソード。映画を借りて寮に帰り、みんなと映画を観るキタロー。堂島家でみんな集まって映画を観る番長。

・自室で目覚めるハム子。そこへやってくる彼女の仲間達。映画を借りてきたからみんなで観よう、と言う彼ら。ハム子「なんか、みんな懐かしいなあって。でも、どうしてだろ。ずっとみんなに会いたかった気がする」

・スタッフロールは迷宮での思い出を振り返る一枚絵が表示される演出だが、ひかりに次いでハム子のイラストが多い。締めの絵も双葉、ひかり、ハム子の和やかな絵。ちなみにそんなシーンは作中では無かった。

・その中の一枚に雑談する明智(と直斗)を後ろからメガホンで驚かそうとするハム子のものがある。場合によっては難聴になるれっきとした暴力行為なので、質の悪すぎるイタズラだと思う。後ろでひかりが止めようとしてるのもお構いなし。

・エンディングが終わり、モヤモヤしながらクリアデータをロードするとワイルド四人のユニゾンが強制的に追加されていた。

・本当の本当におわり

 

 

 

 …………。

 失神していてもしょうがないので、話を進める。

 私個人の私情が大いに入った感想メモなのは申し訳ないが、添えられたつっこみを除けば書かれてある事は全て事実だ。

 ハム子ageだけならまだいい。ジョーカーにキタローをsageてハム子をageる選択肢を言わせる、キタローの仲間がキタローを放置してハム子をリーダーと同じだと褒めそやす、他のキャラもそれに同調するのが耐えられなかった。

 自分の仲間とキタローの仲間も区別できないハム子が、キタローの仲間を平気で侮辱し、お咎めなしなのも泣いた。怪盗団に入れてほしいと言ったり、キタローの仲間を乗っ取ったり侮辱する…そんな風に間接的に自分の仲間を蔑ろにしているハム子が持ち上げられている異常さに、作中のキャラも制作陣も誰も気づかなかったのか。

 自分の仲間の順平に軽口を叩くならいい。でもQ2のP3勢はハム子の仲間ではない。キタローの大切な仲間だ。なのにハム子がゆかりや風花や天田や荒垣の個人情報を暴露し、平気で恥をかかせ、順平を馬鹿にするのはどう考えても間違っている。

 第四迷宮でひかりがスポットライトを浴びれば「自分もひとりぼっちのイレギュラーだ」とアピールを欠かさないが、ハム子にはテオドアがついているし、仲間も元の世界にちゃんといる。彼女の仲間が失われたわけでも、奪われたわけでもない。一時的に一人になっているだけなのに寂しがり、キタローの仲間を欲しがるとはどういう事なのだろう。そのくせキタローポジションの乗っ取りが完了したら、自分の仲間の事は少しも懐かしがらなくなる。その思考回路と精神には恐怖すら覚える。

 ゲーム本編でさんざん同調圧力は悪だ、個性を大切にしろと言っていたのに、ハム子は仲間だという同調圧力を強いるようなシナリオに仕上げた制作陣は何なのだろう。キタローの個性を否定するようなハム子ageageシナリオを以てして「個性は大事だ」と吹聴するのか。

 美鶴には、「私たちはお前の仲間と同じ顔をしているが、決して同じ存在ではない。お前がお前の仲間を大切に想うのなら、P3主や私たちの関係も大切にしてほしい」と言って欲しかった。キタローには「僕の仲間を侮辱しないでほしい」と言って欲しかった。

 PQ2でのハム子は、コミュ力高い属性を武器にしてキタロー達をsageまくり、キタローの仲間を一時的にしろ奪い取り、特別課外活動部の絆をめちゃくちゃに踏みにじって自分の世界とやらに帰っていっただけだった。

 発売前にあれほど公式が宣伝していた「キタローとハム子の出逢い」に意味なんてなかった。二人の絡みは初対面時と別れの時以外全くなかった。皆無だ。お互いが相手をどう思っているかの描写も無かった。そもそもキタローは完全に空気だった。ハム子ばかり持ち上げられ、ハム子ばかりキタローの仲間との絆を描かれただけだった。

 そしてハム子は転生ペルソナすらキタローの「メサイア」をあてがわれ、キタローは性能と解禁要素こそトップクラスだが見た目や設定はオルフェウスの色違い止まりである「オルフェウス・改」に格下げとなった。

 原作やペルソナQをプレイし、メディアミックス作品も履修していたら、メサイアがいかにキタローにとって大事なペルソナか分かるだろうに。

 

 スタッフは多分、Pシリーズをよく理解していない人間の寄せ集めなのだろう。

 だから番長に菜々子の事を姪と言わせたり、イフ存在のはずのハム子を正史として扱ったり、キタローハム子をヘッドフォン人間と書いてしまうのだろう。大切に扱うと言っていたはずのハム子でさえこれなのだ。ハム子がポータブルで雪子と出会っている事、テオに姉がいるとハム子が知っている事もスタッフは知らないのだろうな。ハム子はMP3をキタローのようにネックストラップで首から下げてはいないのだが、PQ2のハム子は立ち絵からポリゴンモデルまでキタローと同じ色のネックストラップをつけているので、キャラクター原案の副島さんによる設定画もろくに見ない、ハム子のデザインもよく覚えていないスタッフの寄せ集めなんだろうな。

 発売前に指摘されていたアニメムービーのキタローの腕章忘れも特に理由がなく、ただの作画ミスだったし、何もかも雑としか言いようがない。腕章はボコスカ立ち絵でもキタローだけ忘れられていたし、何なの…。

 原作に愛のないスタッフに待望のPQ2をグチャグチャに破壊され、過去作すらコケにされてしまい、どうしていいか分からなくなった。

 姪発言と同じくハム子正史扱いは「分かり切った間違い」なので、私の中ではPQ2は間違いだらけの同人ゲーだし、P3の主人公はキタローのままだ。それでもこんなものが公式から出された事がショックで仕方ない。

 最新作でありメインのはずのP5勢や、ゲストヒロインすら踏み台にして、ハム子という存在がひたすら持ち上げられただけのゲーム。それが私のペルソナQ2の評価だ。

 もちろん良い所はあった。ハム子が絡まない特別上映のシナリオはおおむね良作だったし、危惧されていた明智の扱いもかなり適切だった。ゲストヒロインのひかりのエピソードも感動した。

 だが、前作と比べてシナリオは単調で捻りがなく、ラスボス周りも唐突感が否めなかった。とにかく描写が足りない、これに尽きる。ルートは一本に固定されたがその分ボリュームは増えているとプロデューサーは言っていたが、明らかに前作よりも描写は少ない。単純にキャラが増えた事も含め、前作の「校内散策」と「依頼」が「特別上映」にまとめられ、映画館内での交流がとても少なく、ひかりが戦闘要員ではなかったので彼女との絡みも少なくなる。第三迷宮まで彼女は蚊帳の外だった。

 また、待望の主人公同士の絡みも少なかった。ほぼ空気だったキタローは勿論、番長とジョーカーすらろくに絡んでいない。特別上映での絡みはギャグ寄りで、リーダーとして真面目な対話をするのは本当にごく一言二言だけだった。おまけに前作のような特別な別れの挨拶も無しで、何のために出会ったのかも分からなかった。そこをライターは「いざ話すとなると、何を話していいか分からない」「言葉が要らない関係なんですね」とキャラに言わせる事で終わらせるという手法を取ってきたが、コレ、世間一般的には手抜きと言う。

 P3勢に至っては、召喚器や腕章という絶好のネタはハム子に先取りされ、交流を深めてお互いを理解していく過程もハム子が自己紹介時にベラベラと個人情報を垂れ流したせいでそれも無しになった。特別上映を除き、彼らの出番は基本的にハム子ageで終わる。

 描写らしい描写は無く、主人公らしい活躍も描かず、やるべき事は台詞で終わらせ、とにかくハム子を持ち上げる事に集中した結果がこれなのかな、と思った。多分ライターの中では、エンドロールのイラストのような心温まる交流がたくさんあったという事になっているのだろう。

 メインシナリオのテーマもお粗末で、「同調圧力を強いるな」「価値観を押し付けるな」という価値観をジョーカー達がボスに押し付けるというダブスタシナリオだった。プレイヤーに選択権は無いし、映画を観ているひかりすらその選択に関われない。非力な草食恐竜に一致団結して肉食恐竜に抗えと言ったり、量産されたロボットやその統率者にロボットの個性を認めろと言ったり、自分達から彼らの領域に踏み込んでおいてこれではめちゃくちゃだ。元ネタの映画にも反するテーマなだけに、残念でならない。

 特別上映だけはいいので、それだけを目当てにプレイするのもありなのかもしれない。クマいじめとかは今回は酷くなかったし。陽介や明智に甘えるクマが可愛かったです。姪発言以外にも呼称間違いとかちょいちょいあるけど。番長とかなぜか今回はキタローを名字呼びで、相棒への呼び方も花村だったり陽介だったり統一されていなかった。一番大事な所だと思うのだが…。

 

 UIや戦闘ボイス周りにも不満が多いが、ハム子の事さえなければ大目に見られるゲームだった。

 こんな最強愛されドリヒロみたいな後付けキャラを九年ぶりに出して受け入れられるとスタッフが思っていたのなら大間違いだが、どうやら彼らはそれでおかしいとは思っていないみたいだし、ハム子も主人公だから派生に出せと暴れていたハム子推し界隈も大満足のようなので、もういいかと思う。P3を初めとしたPシリーズには二度と触れてほしくはないが。

 PQ2に巻き込まれ、ハム子の接待をさせられたジョーカー達がただただ可哀想で仕方ないゲームだった。ユニゾンの数も、一つしかないキャラがいたりするのにハム子は四つある。ジョーカーも三つ止まりなのに。特別上映やED絵の数も一人だけ多く、これでハム子は贔屓されていない、ジョーカーは蔑ろにされていないは無理がある。見せ場だらけだったハム子と違ってジョーカーもこれといった見せ場はなかったし、あってもハム子に後ろから被せられたし、番長ともろくに話をさせてもらえないし、挙句の果てに先輩主人公のsage役に回されるし…。

 番長も慎重で落ち着いたキャラのはずなのに、問答無用でジョーカーに斬りかかる蛮族みたいなキャラにされてしまった。スタッフが番長とジョーカーの対決を書きたかっただけだろ。しかも斬りかかっておいてジョーカー達に解毒剤を持っていないか聞く面の厚さ。こんな最低な人間がみんなの憧れの存在である番長だなんて思いたくないのだが。

 キタローとハム子を出会わせておいて何も発展させなかった事といい、制作陣はやりたいシチュエーションや客寄せになりそうなエピソードだけ書いておいて整合性はまるで無視、書いたら投げっぱなしという印象が終始拭えなかった。オープニング映像の意味深な明智やハム子って何だったんだろうね。カモシダーマンや陽介と同じ顔をした恐竜やアイギスに似たロボットもガワだけで、その見た目に特に意味はなかった。

 何から何まで、話題性と客釣りを重視して中身を疎かにしたらこうなるだろう、としか言いようがないゲームだった。

 公表されているQ2の重要そうなエピソードに惹かれて購入するのはやめておいた方がいい、と私からは言わせてもらう。何もないから。マジで。

 

 まだまだ書き足りない事はあるが、疲れたのでここらで一端休む。気力があれば別記事で続きを書きます。→書きました。

 ゲームをやって感動ではなくショックで泣いたのは、後にも先にもP3F後日談とPQ2だけだよ。

 

最後に。

「経験は奪えない。だから、“自分”は誰にも奪えない…決して。」

ペルソナQ2スタッフは、Q1のキタローのこの台詞を100回音読して下さいね。