ペルソナQ2感想続き、あと考察

 PQ2発売と前回の記事から約一ヶ月が経った。

 その間も色々な事があった。PQ2のアマゾンレビューが大荒れしたり、PQ2の初週販売数が大爆死したり、ジョーカーのスマブラ参戦が発表されてジョーカー自身がPQ2にトドメを刺したみたいになったり、P5Aの特番が「なんだコレ…」としか言いようがない結果に終わったり、ペルソナQ2の問題点まとめwikiが作られたり、P5Rなるものの存在が発表されたり、他にも色々と。

 アマゾンのレビューを見れば分かる通り、世間のPQ2の総評は「クソゲー」に落ち着いている(※2023年現在、そのアマゾンレビューは不自然な高評価レビューで上書きされ、定価で購入したユーザーの当時のレビューは埋もれてしまっている)。ハム子ゴリ押しはもちろんの事、個性が大事の大合唱で倒錯した正義を押し付けられる不快なシナリオ、原作エアプとしか思えない設定ミスの数々、フリーズとバグの嵐、前作から大幅に劣化したキャラ同士の掛け合いやシナリオの質やダンジョンの作り込み、爽快感の欠片もない迷宮ボス戦のギミック、空気化と舞台装置化が激しいハム子以外のペルソナ使いおよびゲスト組と、そりゃ荒れますよとしか言いようがない内容なので致し方ない。

 この一ヶ月で私もPQ2の二周目をプレイしてみたが、感じたものは初見プレイ時とほぼ変わらない。前回のプレイでスルーしていた新たな突っ込み所に気付く事はあったが。

 前回の記事に引き続き、ボロクソにPQ2を批評してもいいが、その前にあえてPQ2の良点を挙げてみる。別に全てが悪かったわけではないので。あと、問題点なら先述のアマゾンレビューとまとめwikiに全て書かれてるし。

  感想に興味ない人は目次から考察に飛んで下さい。

 

 

PQ2の良い所

・進化したUI

 ロビーやショップのUIはすごく良かった。Bボタンを連打するだけでショップやベルベットルームから退去できたり(これはBボタン連打で出られない前作が駄目だっただけかもしれないが)、ロビーでBボタンを押すと自動でシアターに飛んだり、メニューの各種コマンドが分かりやすくなっていたりと、前作よりも操作性が向上していた。

 ただ、私はP5に合わせた戦闘のダイレクトコマンドは最後まで慣れなかった。アイテム欄とスキル画面を無駄に行き来するのを何回やったのやら…ナビスキル画面にもパッと見で即飛べないのも駄目。DSとプレステのコントローラーは全然違うんだから、そこは無理にP5に合わせなくても良かったのでは。B長押しで逃走できるのは○。

 

・多様化した戦闘スキル

 前作での欠点だったキャラ間の性能格差が気にならなくなる程度には全キャラの性能が底上げされ、メイン・サブ共に強力な固有スキルが増えた事でバトルが楽しくなった。戦闘システムも総攻撃がしやすくなり、バトンタッチやユニゾンといった新ギミックも追加され、パーティで一丸となって戦っている感覚をより味わえるようになった。ユニゾンが発生すると否応なしにテンション上がる。バトンタッチを使ってもテンション上がる。

 ただ、追撃がパーティ外のキャラのみになったのはダメ、本当にダメ。推しの追撃を初見プレイでも二周目でも見る事が終ぞ無かったんですけど?見たかったら推しをパーティから外して23人(22人?)の中からランダムで選ばれるまで試行回数を重ねろってか。ユニゾンが増えたらそっちの方が発生しやすくなるし…。

 探索中の扉や宝箱の出現キャラもだけど、ここは前作と変えずにパーティ面子固定にしてほしかった。

 

・戦闘ボイス、探索中ボイスの種類の追加

 コマンドキャンセルでキャラが喋るの、いい。推しの「う~ん…」を永遠に聞いていたい。Qシリーズの戦闘システムはスキルキャンセルを頻繁に使うので、こういうボイスがあるのは素直に嬉しい。(でも前作にはあったキャラ同士の濃い掛け合い、状態異常時の個性的なボイス、シャドウへのコメントが全て削除され、汎用台詞での掛け合いに統一されたのはガッカリ。)

 迷宮探索中にナビ以外のキャラが声を掛けてくれるのも、前作には無かったのでこれもgood。地図をちゃんと描いてると推しが褒めてくれるのはPQ2だけ!色を変えて塗ったりしても声を掛けてくれるぞ。あと第五迷宮のギミックで聞けるキャラ達の悲鳴が可愛い、とても可愛い。

 

・豊富な名BGM

 PQ2の数少ない良点。作曲担当の喜多條氏ほか、サウンドチームとアーティスト陣に敬礼。戦闘曲はどれも好き。ボス戦曲も文句なしにカッコイイ。

 ただ、ミュージカルパートは激寒だった。

 

・色褪せない声優陣の演技

 流石はベテラン揃いのペルソナ声優陣と言った所だろうか、今作も素晴らしい演技で魅せてくれた。ゲストキャラの声優陣の演技ももちろん遜色ない。ボイスデータだけ売ってほしい。

 

明智の扱い

 発売前に危惧されていた要素の一つだが、個人的にはハム子とは違ってかなりいい感じに扱ってもらえたと思う。アニメのように不自然にごり押される事もなく、怪盗団と仲良しこよしする事もなく、34キャラとも程よい距離感で接していた。私はP5をプレイして猫かぶり中の明智にはやや苦手意識を持っていたが、PQ2のお陰で彼の事も好きになれた。

 OPの意味深なカットや、PQ2にわざわざ明智を参戦させた理由は何だったのかと思わなくもないが、明智の新たな一面を見られただけでも十分だと思う。初見プレイも二周目も、彼は第一迷宮からラスボス戦までずっとスタメンだった。

 

・質、量ともにパワーアップしたアニメーションムービー

 みんな可愛い。作画が綺麗。すごく良く動く。推しが格好いい。それだけで十分です。

 でもOP詐欺とキタローの腕章忘れは許さない。

 

・新規立ち絵

  推しが可愛い。以上。

 だけど個人的には、前作の方が良かったと思うキャラの方が多かったなー…PQ2の立ち絵はみんなちょっと目に違和感がある。今回担当されたのは副島さんではないんですよね。

 PQ2の方が好き、あるいは前作と同じくらい好きなキャラはキタロー、順平、風花、真田、美鶴、荒垣、コロマル、番長、千枝、完二かな。結構多かった…

 前作よりも躍動感があるキャラがお気に入りなのかもしれない。あとボコスカ絵は全員文句なしです。でもキタローの腕章忘れは絶対に許さない。

 

・一部の特別上映

 ハム子が絡まない特別上映はどれもおおむね良作だった。過度なagesageがなく、それぞれのキャラの個性を活かした内容なだけで全てを許せる。リーダーズのシナリオがシリアスではなかった事と、ボリューム不足な事が残念。

 

 こんな所だろうか。声優と楽曲とグラフィック面に辛うじて救われてる感じ。肝心のシナリオ、テーマ、設定、キャラの扱い、ダンジョンの作り込み、ボス戦ギミックがクソミソのクソなのが全てを台無しにしているが。

 PQ2は推しとの迷宮探索を楽しむゲームと割り切るのが一番かもしれない。迷宮探索、単純につまんないけど。

 

 

PQ2考察

素朴な疑問

 PQ2をクリアし、悲喜こもごもの感想を見て未だに分からない事がある。

 どうしてPQ2スタッフは、P5勢を差し置いてまでハム子をゴリゴリに推したのか?

 どうしてPQ2スタッフは、あそこまで原作エアプなのか?

 どうして金田Pや藍原Dは、ハム子の参戦やキタローとの対面に深い意味があるかのような発言をしたのか?

 直接答えは得られないので、ここから先は私の完全な推測になる。

 

 まず、PQ2がジョーカースマブラ参戦とP5A年末特番、P5Rの発表に合わせて発売されたのは間違いない。商売なので、そこは無理にでも合わせたいのがアトラスの本心だっただろう。

 PQ2で新規層にジョーカーと怪盗団を売り込み、年末特番とスマブラ参戦で人気にブーストをかける。ついでにP3P4にも興味を持ってもらえれば御の字、といった所だろうか。

 ここで疑問に思うのが、「じゃあ、どうしてP5を売り込むべきPQ2でハム子を推したのか」という点である。

 PQ2にハム子を参戦させると決めたのは金田Pで、ペルソナ20thフェスでファンによるハム子の絵を見たのがきっかけらしい。PQ2をどうするか考えていた時にハム子を参戦させる事を思い立ち、企画書を作っていた所を藍原Dに見られ、藍原DがPQ2のディレクターに立候補したとの事。PQ2問題点まとめwikiにソース元のインタビューが転載されているので、詳しくはそちらを参照。

 このハム子ことP3P女性主人公というキャラクターについては過去の記事で散々説明したので割愛するとして、このインタビューを読んだ時私が思ったのは、「PQ2のメインシナリオを決めてからハム子をキャスティングしたんじゃなく、最初からハム子ありきのゲーム作りだったの!?」だ。

 PQ2という物語のクオリティをより高めるのにハム子というキャラクターが最適だったとかではなく、「とりあえずハム子を参戦させよう」から始まったゲーム制作。

 そりゃ、あんなハムハムゲーが出来上がるわけだよ……。

 

考察という名の邪推

邪推その1

 そこから更に突っ込んで、ではどうしてよりにもよって「後付けif女主人公」という普通の舞台には容易に出せない立ち位置にあるハム子に目をつけたのか?と考えると、「ハム子には声の大きいファンがついているから」以外の理由が私には思い浮かばない。

 事ある毎にハム子を出せ出せ女主人公を追加しろの大合唱、劇場版P3のフィナーレイベントでも寄せ書きボードにハム子の事を書きまくる、ダンシング前夜祭という公式イベントでもスタッフにハム子について聞くという過激なアピール…もといただの迷惑行為をするような層は、もしかしたら金田Pには今まで誰も手をつけなかった金の生る木に見えたのかもしれない。

 そして、「ハム子は今までハブられていたんだから、再登場したら推されて当然!主人公なんだからキタローと同じように扱われるべき!」というのがハム子厨の言い分だが、金田Pも同じ事を思ったのかもしれない。実際はキタローと同等でも対等でもなんでもない、ただの後付けif主人公だから今まで表舞台には出てこなかったわけだが。エイプリルフール企画の存在のようなキャラを正史主人公と同等に扱う訳がないだろう、普通に考えて。

 ところが、金田Pもたぶんハム子がそういう存在である事を知らなかった。誰も手をつけなかった美味しいネタではなく、単に扱いが困難なキャラクターである事を知らなかった。後付けイフを免罪符にP3のシナリオをハム子に合わせて改変し、システム面でも本家より優遇されているハム子とハム子ルートの危うさを知らなかった。下手したらポータブルのハム子ルートすらプレイしていなくてもおかしくない。

 邪推その1。金田P、ハム子参戦を決めた時、あなたもしかしてこう考えませんでした?

 

「ハム子ってキャラは人気あるんだ。でも、女主人公だから今まで表舞台に出してもらえなくてファンが悲しんでるんだね。

 じゃあ、PQ2でメインに据えちゃおう!200万本売れたP5と抱き合わせにして、ついでに人気が根強いP3P4も客寄せパンダにすればPQ1よりも爆売れじゃん!」

 

 ハム子のファンアートを見た時、金田Pの脳内にどのような考えが駆け巡ったのか私は本気で知りたい。

  PQ2が大爆死した今、彼がハム子について語る事はおそらく二度とないだろうけど。

 

邪推その2

 ハム子参戦を決めたのが金田Pとして、気になるのが藍原Dという新キャラである。

 PQ2の企画書を見てディレクターに立候補したというこの若いスタッフ、過去にP5の制作に携わっていたとの事。P3ともP3Pとも掠りもしていないアトラススタッフだ。

 私はゲーム業界に明るくないので、ディレクターという役職がどれだけの権限を持ち、どんな事をするのかは詳しくは知らない。が、PQ2のハムハムゲー化の一端を彼が担っているのはまず間違いないだろう。

 ところでこの藍原Dという人、PQ2発売の少し前にフェイスブックの個人アカウントを発見され、ヘッダー画像をハム子のカットインにしている事が明らかとなっている。ジョーカーではなくあえてハム子にする理由を考えると、ハム子推しなのかな?と思うのが普通だろう。

 ここで邪推その2。

 藍原D、PQ2企画書のハム子の名前を見てディレクターに立候補したりしてませんよね?

 

邪推その3

 各インタビューを読んでも、ハム子について積極的に話しているのは金田Pで、藍原Dはほとんどハム子に触れていない。正直ヘッダー画像が答え合わせな気もするが、確証はない。

 ここでPQ2をプレイした私の率直な感想を言わせてもらうと、「スタッフはハム子の事、別に好きじゃないでしょ?」である。

 ハム子というキャラクターがP3P4P5ファン全員からヘイトを集めてもおかしくないハム子爆age他sageシナリオを平気で出し、案の定全方位からハム子が叩かれまくっても知らんぷりな所を見るに、彼女の事も使い捨てたんだろうなと私は思う。

 PQ2のハム子ageシナリオからは、とにかくハム子をゴリゴリに推そう、声のでかいハム子ファンに媚びを売ろうという熱意は十二分に伝わってきたが、インタビューでも言っていた「ハム子を大切に扱う」という気持ちは全く感じられなかった。

  番長の姪発言を始めとした設定ミスの数々からして、制作陣の大部分がP3P4(最悪P5も)エアプなのは確実だが、この調子だとハム子ルートもプレイしていないだろう。ハム子ルートでハム子が雪子と出会っている事、テオに姉がいると知っている事、風花コミュで風花の料理を応援してる事など、何も知らないんだろうな。

 じゃあPQ2スタッフは何を参考資料にしてハム子のキャラ付けをして、シナリオを書いたのか?

 

 話を少し変えるが、ハム子でGoogle検索してすぐ出てくるサイトにピクシブニコニコ動画の百科記事、それとアニヲタwikiがある。情報が豊富ではあるが、公式wikiではなく誰でも編集できるので、誤情報や二次創作設定が掲載されたままの記事も多い。

 ここでPQ2発売前のハム子やP3のページを見てみると、P3の記事ではハム子がキタローと並んで「P3の女主人公」として扱われ、キタローも「男主人公」と誤表記されているのが目立つ(キタローを男主人公扱いするのは、番長やジョーカーをP4P5の男主人公呼ばわりするようなもの)。おまけにハム子の記事では彼女の後期ペルソナがタナトスメサイアだと堂々と書かれている。(後日談やメディアミックス、PQ1ではっきりとタナトスメサイアを後期ペルソナとして描かれたキタローとは違い、ハム子が本編やメディアミックスでメサイアを正式に後期ペルソナにされた事はない。本編では仕様上キタローのタナトスメサイアを流用しているだけで、ハム子オリジナルのタナトスメサイアは存在しない。そもそも、メサイアのデザインがキタロー自身とキタローのオルフェウスを元にしている)

 アニヲタwikiに至っては、まるでハム子が正当な追加主人公であるかのように書かれており、if主人公、後付け主人公などという言葉はどこにも見当たらない。何も知らない人がこれを読んだら、ハム子はポケモンクリスタルやリメイク赤緑の女主人公のように後から追加されただけのW主人公の片割れだ、と勘違いしてしまうだろう。

 そしてどのwikiにも共通している事だが、「ハム子はキタローよりも明るくコミュ力が高く、誰からも好かれ、毒舌が魅力的」という表現が目立つ。

 ハム子ルートのハム子は確かに底抜けに明るく、誰からも優しく接されるが、それはifを免罪符にデス周りの設定やP3の作風との兼ね合いを丸投げしたために許されている事であり、キタローと並び立つ主人公という事にしたかったら彼女もキタローのように一見近寄り難く、ミステリアスでクールな雰囲気を纏う落ち着いた見た目の少女であらねばならない。そこを無視してハム子はデスを宿していても明るい、本家と違って仲間達からも愛される、だから同じ主人公でもキタローよりも優れていると言ってしまうのは、P3の設定と彼女の「if」という存在意義を踏み躙るのと同じである。

 ハム子が明るい性格で誰からも好かれるのは、「女版キタローじゃつまらないから、ハム子はイメージカラーも性格もキタローと真逆の女の子にしよう。そしてキタローの時よりも優しい世界でイージーモードのP3にして、ハム子目当ての新規層を接待しよう。本家P3やデス設定のすり合わせはifって事で許してね!」という雑極まりない理由から来ている。実際に制作陣がこう思ったかどうかはさておき、真面目に考えればP3の設定が破綻する彼女の存在が許されているのは、彼女がひとえに「ポータブル限定のお遊び要素」だからだ。エイプリルフール企画のふざけた内容に本気で突っ込む人はいないだろう。ただエイプリルフール企画でも許容範囲には限度があるし、ハム子ルートはその越えてはならない一線を限度を軽々と越えてしまっているのでハム子無理派が批判を続けているのだが。

 ともあれ、そんなハム子を「キタローと同じ存在なんだ!彼女も立派なP3の女主人公なんだ!」と言ってしまうと、「じゃあなんでハム子はデス抱えてるのにあんなに明るいの?なんでP3なのにピンクなの?なんでオルフェウスが女装してんの?なんでファルロスと○○が男のままなの?なんでメメントモリのP3で○○が生き残っちゃうの?なんで後日談がないの?なんで女装オルフェウスタナトスを合体させたらキタロー顔のメサイアになるの?」という怒涛の突っ込みが発生してしまう。それを回避するための「究極のif」なのである。

 なのだが、ハム子を持ち上げるファンにはそこを無視する、あるいは理解できていない人が異様に多い。

 彼らは「if」であるハム子の事が好きではないのだろうか。ハム子をムリヤリ表舞台に引きずり出し、正史主人公のように扱う事で、上記のような突っ込みと追及の嵐に晒したいのだろうか。私にはどうも、そんな彼らがハム子の事を本当に愛しているとは思えない。だってハム子も主人公だと声高に主張する彼ら彼女らは、ハム子の「イフ主人公」という唯一無二の肩書きと彼女を守る盾を、他でもない自分達が否定しているのだから。

 ここまで長くなったが、本題に戻る。

 

 邪推その3。

 スタッフの皆さん、まさかPQ2のハム子を設定するにあたって、こういう非公式wikiやファンアートを参考にしていませんよね?

 

 それならPQ2のハム子が音楽プレイヤーをキタローと同じく首から下げているのも、言動全てがポータブルと乖離しているのも、転生ペルソナがPQ2でメサイアになっているのも、デスを宿しているとはとても思えないアッパーで考えなしな性格な事にも、毒舌や陽キャラの意味をどう見てもはき違えている無神経で無礼な言動も、キタローがわざわざ男主人公扱いされハム子はP3女主人公表記な事にも、全部納得がいくんだよなあ…。

 PQ2のグラフィッカーの皆さんは、キャラ原案の副島さんの設定画すら見ないで、一体何を参考にしてPQ2のハム子をデザインしたんでしょうね?

 設定画も見ずP3Pもプレイしてなかったら、そりゃハム子にキタローとお揃いのネックストラップをつけちゃうわ。

 ハム子のペルソナ召喚台詞をP3Pの「来て!」ではなく、キタローとお揃いの「来い!」にしちゃうわ。

 ハム子をif主人公ではなくキタローと我汝汝我のパラレルワールドの存在にしちゃうわー。

 全部邪推だけど、驚くほどしっくり来るんですよね。

 このエアプぶりだと有名なアイギスとハム子のビッチダッチ会話の画像を本物だと信じててもおかしくなさそう。言っておくけどあれ、コラです。私は実際にハム子ルートをフル股がけしてまで確かめましたよ。冷静に考えたらP3Pのレーティング的にありえないワードなんだけどね、ビッチダッチって。

 ただ唯一最後まで分からないのが、作中でキタローとハム子を直接絡ませなかった事。不自然なくらいお互い会話をせず、ハム子がキタローに召喚器を渡す時もわざわざゆかり経由という徹底ぶり。お互い相手をどう思っているのかさえほとんど話さない。この謎のスルーぶりは一体…

 ハム子をキタローと直接会話させたらif存在のハム子が対消滅するとかそんななのだろうか。こればかりは想像がつかない。

 

 

そして全てが終わった

 で。

 そうして声のでかいハム子ファンに媚びを売った結果が、初販は前作の半分にも届かず大爆死、アマゾンレビューは大荒れ、価格は発売一ヶ月の時点で驚異の53%オフとなったわけですが。

 これからペルソナを引っ張っていくP5の顔に泥を塗り、P4に余計な苦労を負わせ、P3の何もかもをめちゃくちゃに破壊し、P3Pのハム子にすら二度と表には出られないくらいの傷を負わせたわけですが、PQ2スタッフはこれで満足でしたか?

 私はPQ2のハム子がメサイアをつけているステータス画面を見るだけではらわたが煮えくり返るほどの怒りと悔しさと憎悪に苛まれているけど、PQ2が大爆死してくれたのでもういいかと思ってる。これでPQ2が大成功して良作扱いされてたら立ち直れていなかった。

 でも、公式とハム子厨がキタローとP3にした事は絶対に忘れないし、許さないと思う。未だに好き勝手暴れてキタローをdisってるハム子厨および女主厨、あなた達はPQ2の人格最低なハム子がお似合いです。ハム子ルートとPQ2からもう二度と出ないでほしい。P3P4P5に金輪際触れてくれるな。

 それとハム子の方が主人公らしい、ハム子なら救える、キタローなんて陰キャよりハム子を出せなんて二度と言わないでくれると有難いです。二度と。

  PQ2が爆死したのをP5のせいにしたり、PQ2を叩いてるのはハム子厨やキタローファンだけみたいに言うのもやめてほしい(実際にいた)。ハム子をゴリゴリに推した結果がこれなんだし、PQ2を批判している中には普通のハム子ファンもいる。

 PQ1すら汚し、PQ2を台無しにしたのは公式含めたハム子厨のせい。その事実を受け止めてほしいです。

 そして何よりPQ2広報を始めとした公式がキタローを冷遇しまくったのも忘れない、絶対に忘れない。虫眼鏡アイコンの件もキタロー声優の色紙の事もあらゆる場面でのキタローハブとキタローイジメの事も忘れないし、許さない。

 私はPQ2の初販が大爆死したのは、広報によるキタローや他キャラ冷遇とハム子ごり押しが原因だと思っている。推しをあれだけコケにされ、予約特典もハム子まみれにされるという見えている地雷を誰が予約するか。私は予約したけど。ハム子グッズが無いショップで。

 まあ、PQ2はハム子の件を除いてもメインシナリオが壊滅的すぎて救いようがないんだけど、少なくともハム子がいなければその分345キャラの活躍が増えたはずだからなあ…。ハム子がいるせいでキタロー放置でハム子ヨシヨシの舞台装置にされ、ユニゾンをハム子用に一枠ずつ取られたP3勢の被害が凄い。 ゆかりなんてユニゾンはハム子とのだけで、45とのクロスオーバー技は無いし。

 

 恨み節で終わるのも何なので、最後は前向きな話を。

 ハム子を参戦させるなら、それこそifキャラという立場を活かしていくらでも役割を与えられたと思うんですよね。さんざん言われているように、映画の中だけの存在にするとか。それならキタローといくらでも絡んでもらっても構わなかった。もちろん、P3主人公はキタローただ一人であるという前提で。

 全て終わってしまったので、たられば言ってもしょうがないんだけどね。

 発売前はそういうストーリーになるものと信じていたんだよなあ…ハム子の存在は物語に深く関わってくるとは何だったのか。

 同時に、「PQ2でハム子をP3女主人公にして、今後P3はW主人公でいくつもりか?」と怯えてもいたけど、まさかスタッフが本当に何も知らず、何も考えず、ただ原作エアプなだけだったとは…。

 何もないがあった、これに尽きる。

 

 PQ2なんて無かった。P3は何も汚されていない、キタローも傷つけられていない。彼は今夜も仲間たちと一緒に踊り狂ってるので、多分きっと大丈夫です。

 

 

追記

追記。もう一つ、供養としてPQ2の良かった所を。

私はキタローのPQ1での「経験は奪えない。だから、自分は誰にも奪えない」という台詞が大好きなんだけど、PQ2での

「みんなとの出会いが、新しい自分を作ってくれた。確かな経験が、僕の中にある。それだけは消えないよ」

「確かに、僕たちが出した答えが常に正解とは限らない。不本意に人を傷つけてしまったり、自分が傷つく時だってあると思う。それでも僕は、自分が導いた答えに納得できるような人生でありたいと思う」

という台詞で泣いちゃったよね。

 PQ2のキタローはPQ1のキタローとは違うキタローだろうけど、でも確かにキタローなんだなあと思える台詞だった。キャラクターとしての軸がぶれない、一貫しているってこういう事だと思う。

 散々な出来でほぼ全てのキャラが破壊されてる悪夢のようなゲームの中で、大好きな彼が大好きな彼のままでいてくれた事は本当に救いだった。

 他のキャラと同じく、お綺麗な台詞を吐かされただけかもしれない。ライターは何も考えてなかったかもしれない。あるいはお前らの御本尊がこう言ってるんだからキタローファンもこのクソゲーを肯定しろというスタッフからのメッセージがこめられた台詞なのかもしれない。実際、作中でそう思えるようなキタローのPQ2肯定台詞が結構あった。推しに何言わせてるんだとその度にキレそうになった。あるいはキタローが発言すべき場面で、何も言わせてもらえない時もあった。都合が悪くなったらキタローを画面外に追いやってんじゃねえとその度にまたキレた。

 それでも、血反吐を吐き散らかすしかない地獄の中で、キタローがこの台詞を言ってくれた事は本当に嬉しかった。彼が言うからこそ、意味がある台詞だった。

 思えばキタローって、これ以外にもひかりに「自分を否定する誰かの為に自分を変える必要なんてないんじゃない?」とか、ラスボスに「全く同じ人なんていない」みたいな事を言ってるんだよね。同調圧力軍団の中にいながらさり気なく流れに逆らっているようにも取れる。多分この台詞を書いたライターは何も考えてないんだろうけど、私は無意識の内にキタローの渾身のブーメランがライターに刺さったと思う事にする。

 残念ながら、キタローのそんな主張は作中ではひかりにも他キャラにも届く事はなかった。PQ2において、彼の言葉に真剣に耳を傾けてくれたキャラは多分一人もいなかった。誰かとの真剣な会話シーンさえ与えてもらえなかった。キタローは最初から最後までただの添え物のパセリだった。

 でも、彼がそう言ってくれただけで十分だったよ、私は。

 

 私はPQ2を絶対に肯定しない。キタローとP3が大好きだからこそ、こんなクソッタレな設定崩壊同調圧力強制キタロー虐めエアプハムハムゲーをPシリーズの正史だとは認めない。

 だけど圧倒的クソゲーの中でも変わらず在り続けてくれた彼の事は、これからもずっとずっと忘れないし、大切にしたいと思う。